#23 「MOTUL AUTECH GT-R」が開幕戦で4番グリッドを獲得

2012年のSUPER GTが岡山国際サーキットで開幕。3月31日に行われた公式予選で、#23 「MOTUL AUTECH GT-R」(本山哲/ミハエル・クルム)は予選4位を獲得した。

国内モータースポーツの中でも屈指の人気を誇るSUPER GTがいよいよ開幕した。舞台は岡山国際サーキット。
今回の予選はノックアウト方式で行われた。2名のドライバーの速さが求められるこの方式では、「速いドライバーを2人揃えている」というNISMOのアドバンテージが武器となる。下位4台が脱落となるQ1には、本山がアタックを担当。天気雨に見舞われコースコンディションの読みが難しいセッションとなったが、一番にコースインしアタックを開始。5番手でQ2のクルムにバトンを渡すことに成功した。
そのQ2で、クルムは軽くスピンを喫し、状態を立て直そうとした際にギアトラブルが発生。低速コーナーもある岡山で、低速ギアを使えないのは痛手だが、ここでクルムがスペシャルアタックを見せ、最終アタックで5番手タイムを記録。ピットの中はクルムの力走に大いに盛り上がった。
Q2終了後、痛手を負ったマシンが戻ってくると、クルムのファイトに応えようとメカニック達も奮起。Q3が始まるまでの僅かな時間で見事にトラブル修理をすませ、本山に全てを託した。Q3は完全なドライコンディションとなり、コースレコード目前までタイムが上がる激しい争いに。決勝を見据え固めのタイヤでアタックした本山は、惜しくもトップタイムには届かなかったが、4番手タイムをマーク。明日の決勝を2列目からスタートすることとなった。


#23 GT-Rドライバー
本山哲

「Q3は、決勝レースを見据えてハードめのタイヤでアタックしました。路面温度も低くて、きちんとウォームアップしないと滑ってしまいそうで難しかったですが、違うタイヤを選択したライバル勢がいることを考えると、4位というのはそれなりにいい結果だと思います」
#23 GT-Rドライバー
ミハエル・クルム

「アウトラップのバックストレートエンドでスピンしたときにギアを壊してしまったんです。でも、1速と2速がない状態であのタイムを出せたことに自分でもびっくりしています。あのとき、『ここでアタックをやめてタイヤをセーブするか、それとも頑張ってアタックするか』と少し考えたんですが、トライして(Q2を)クリアできてよかった。2速のないクルマで岡山を走るのはストレスフルでしたが、結果はとてもハッピーです」
ニスモ鈴木豊監督
「今日はクルムの走りにチームの皆が感動していました。2速のないクルマであのタイムですから。その走りに応えようと、メカニックも素晴らしい仕事をしてくれました。本山もその気持ちを受け止めて走ってくれていました。チームの中に良い空気が流れています。この流れに乗って明日はトップを目指して頑張ります」


ルーキー2人の頑張りでQ3に進出

ニッサン・ドライバー・デベロップメント・プログラム(NDDP)の新しいステップアップの場としてGT300クラスに今季デビューした「NDDP RACING」。マシンがFIA GT3規格のNISSAN GT-R NISMO GT3ということもあり、多くの注目を集める中、公式練習からクラス4番手と上々の滑り出しを見せた。

ノックアウト方式の公式予選では、どちらのドライバーをQ1に置くか、Q2に置くかはチームの戦略によって分かれ、これがファンにとって予選の面白さにつながるが、#3 GT-Rは関口をQ1に投入。途中で雨が降り出しWET宣言が出されるなど、コンディションが目まぐるしく変化する中、7番手でQ1をクリアし千代に交代した。Q2はやや濡れた路面でのスタートとなったが、コースを出ていった千代はすぐにピットに戻りスリックタイヤへ交換。まだ完全には乾ききっていない難しい路面で、Q3進出をかけスリックタイヤでアタックを開始した。ライバル勢も続々とタイムを塗り替える中、千代も大きくタイムを更新し、初めての予選セッションで見事4番手タイムを記録しQ3に進出。Q3アタッカーの関口は9番手タイムとなり、NDDP RACING初の決勝レースをシングルグリッドからスタートすることとなった。


#3 GT-Rドライバー
関口雄飛

「最後のアタックでは他のマシンに引っ掛かってしまいましたが、タイヤの状態が一番良い周でパフォーマンスを引き出してベストタイムを出せたのは良かったと思います。まだまだ自分の走りに足りないものがあるし、それを直せばもっともっとタイムが上げられるはずだと感じているので、9番手という結果はもちろん悔しいですが、あまりネガティブにはなっていません。明日も頑張ります」
#3 GT-Rドライバー
千代勝正

「今日の僕の仕事は、Q2をクリアして関口選手にしっかりとバトンを渡すことだと思っていたので、それができて良かったです。僕のセッションでは浅溝タイヤからスリックへ交換したんですが、この判断も冷静にできたと思っています。明日もミスなくチェッカーまでクルマを運んで、ポイントを取ってくることに集中したいと思います」
NDDP RACING長谷見昌弘監督
「ドライバーに関してもクルマに関しても、順調にきていると思います。ドライバーは大きな失敗もなくつなぎましたしね。クルマを作り上げるためにはミスもスピンもせずに走りきることが重要。明日も、結果はもちろんですがしっかりとチェッカーを受けられるよう、チームも頑張っていきたいと思います」
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