MOTUL AUTECH GT-Rが今季2勝目、S Road MOLA GT-R 2位
10月2日(日)に行われたSUPER GT第7戦オートポリス(大分県日田市)で、予選12位スタートの#23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)が今季2勝目を遂げた。また、ドライバー部門、チーム部門で選手権ランキング首位の#46 S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)が2位に入り、最終戦でのチャンピオン獲得に向けて大量のポイントリードを築いた。

オートポリスでのSUPER GTレースが行われるのは2年ぶり。薄曇りながら、過ごしやすい爽やかな天候となったこの日、地元大分県だけでなく隣県の熊本や福岡からも多くの観客がサーキットを訪れた。

前日の公式予選では、1回目の予選で#23 GT-Rのタイムアタッカーであるブノワ・トレルイエが勢い余ってコースアウト。ボディカウルを壊すアクシデントがあったためアタックできず、12番手から決勝レースを迎えることとなった。しかしながら、前回の富士戦でも6位に入り、調子を上げて来た#23 GT-Rのふたりは、高いモチベーションをもって決勝レースに臨んでいた。スタートドライバーの本山がオープニングラップで1台をかわし、5周目には10位に上がると次の周には一気に8位まで浮上。その後も上位を追い上げる勢いを止めることはなく、11周目には3位にまでポジションを押し上げることに成功した。快進撃を見せた本山は、さらに上位を独走していた2台にも迫り、22周目に#46 GT-Rをとらえて2位となり、26周目にはポールポジションスタートの#39 SC430を抜いてトップに躍り出た。その後、本山はピットインし、トレルイエにドライバー交代したが、このとき同時にピットインした#39 SC430が先にピットアウトして、再び先行を許すこととなった。

後半を受け持ったトレルイエは、交換したタイヤが温まった後にプッシュを開始。32周目に再び#39 SC430を抜き返すと、各車がピットインした時点で首位に戻った。その後は安定的に速いペースで逃げ切りを図り、一度も後方を脅かされることもなく54周目のチェッカーフラッグをトップでくぐり抜けた。#23 GT-Rは、5月の富士レースで優勝を遂げているため、今季2勝目。これで選手権ポイント2位となり、2週間後に行われるシリーズ最終戦でのチャンピオン決定戦に挑むこととなる。

選手権ランキング首位の#46 GT-Rは、GT-R勢最大となる60kgのハンディウェイトを積んでこのレースに臨んだ。しかし、前日の予選スーパーラップでは、ポールポジションの#39 SC430に対して1000分の1秒差の2番手タイムを出し、フロントローのスタート位置を得ていた。決勝レースをスタートしたクインタレッリは、2位のまま序盤はタイヤをセーブする走りに徹し、トップを走る#39 SC430のラップタイムが徐々に落ちてくると、その差を縮める走りに切り替えた。#23 GT-Rが勢い良くこの間に入って来たため逆転は叶わなかったものの、射程内にとらえて柳田にドライバー交代した。後半スティント担当の柳田は、#39 SC430との間合いを維持し巻き返しのチャンスを待った。#39 に後ろからプレッシャーをかけ続けた柳田は、53周目の第一コーナーで追い抜きのチャンスを得て2位へ。そのまま54周目のレースフィニッシュを迎えた。同車は、さらに選手権ポイントを加算したため、大量リードを築いて最終戦に駒を進めることとなった。選手権ランキング2位の#23 GT-Rに16ポイント差をつけているため、有利な状態でチャンピオン獲得に挑む。

今季上位フィニッシュのチャンスに恵まれていなかった#24 ADVAN KONDO GT-R(安田裕信/ビヨン・ビルドハイム)は15番グリッドから決勝レースをスタートしたが、前半を担当したビルドハイムが序盤から徐々にポジションを上げ、後半を受け持った安田がそれを引き継いで5位でフィニッシュした。一方、予選8位からスタートした#12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、今回チョイスしたタイヤが路面にマッチしなかったため、上位進出ができず低迷。10位でレースを終えることとなった。


ニスモ鈴木豊監督
「昨日からの流れからクルマの状態や本山の走りを見て、これはいけそうだなという感覚はもっていました。しかし、タイヤに厳しいサーキットなので、各スティントの前半は我慢し、後半勝負になると予想していました。でも、本山が予想を覆してくれましたね。これでチャンピオンの可能性は、#23と#46の2台のGT-Rに絞られることになりました。チャンスがある限り、私たちも全力で臨みます。引き続き応援をよろしくお願いいたします」
#23 GT-Rドライバー
本山哲

「レースでは序盤はタイヤをセーブし、その後上位進出を目指してプッシュしようと考えていましたが、スタート直後から先行車を抜けるチャンスがあったので、早めにポジションを上げられました。今回は、特にシャシーもエンジンもタイヤもそれぞれが高いパフォーマンスを発揮してくれたので、良いレースができました。12位スタートで優勝までは事前に描けていませんでしたが、感触は非常に良かったです。(ポイント差が大きく)チャンピオンを取るのは簡単なことではありませんが、チャンピオンの可能性を残して最終戦に臨めるのが目標だったので、良い形になったと思います」
#23 GT-Rドライバー
ブノワ・トレルイエ

「今日はとてもエキサイティングなレースでした。僕もサトシ(本山)の素晴らしい走りに釘付けてなってしまいました。僕は予選でミスをしてしまったけど、今回のクルマの仕上がりがとても良く今朝のフリー走行でもそれが実感できたので、いいところに行けると信じていました。シーズン途中で苦戦しましたが、ここで2勝目を上げることができたので、チームは高いモチベーションをもって最終戦に臨めます」



Rd. 7 SUPER GT in KYUSHU 250km - Race Combined [ 14:04 Start - 54 Laps]
Weather : Fine  /  Course : Dry  /  Sunday,2 October, 2011 - Autopolis (4.674 km)

Pos No Car Driver Time / Diff
1 23 MOTUL AUTECH GT-R 本山 哲 ブノワ・トレルイエ 1:37'10.996
2 46 S Road MOLA GT-R 柳田 真孝 ロニー・クインタレッリ +8.965
3 38 ZENT CERUMO SC430 立川 祐路 平手 晃平 +28.614
4 36 PETRONAS TOM'S SC430 アンドレ・ロッテラー 中嶋 一貴 +38.318
5 24 ADVAN KONDO GT-R 安田 裕信 ビヨン・ビルドハイム +45.346
6 17 KEIHIN HSV-010 金石 年弘 塚越 広大 +53.038
7 19 WedsSport ADVAN SC430 片岡 龍也 荒 聖治 +1'18.384
8 32 EPSON HSV-010 道上 龍 中山 友貴 +1'19.410
9 35 D'STATION KeePer SC430 脇阪 寿一 アンドレ・クート +1'37.451
10 12 カルソニック IMPUL GT-R 松田 次生 J.P・デ・オリベイラ +1'44.445
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