真夏のシリーズ最長イベントで今季初優勝を狙う
          鈴鹿観戦ポイント (2009年掲載)
SUPER GT第6戦は、夏休み終盤恒例のロングディスタンスイベントとして、鈴鹿サーキットにおいて開催される。伝統の“鈴鹿1000kmレース”がSUPER GTシリーズ戦に組み込まれたのは2006年のことだが、昨年からは700kmレースとして開催されるようになった。同じ鈴鹿で300kmレースとして開催された開幕戦とは、レース距離、気温&路面温度などのコンディション、各車のハンディウェイト量が大きく異なることもあり、どのようなレース展開になるのか大いに興味が持たれるところだ。
開幕戦ではコーナリングスピードの高さを誇ったホンダHSV-010勢、トータル的に速かったのはレクサスSC430勢だったが、#24「HIS ADVAN KONDO GT-R」がタイヤ無交換作戦を敢行して開幕戦を制した。しかし今回の700kmレースは、昨年同様“4つのスティントに区分されたスプリント戦”となる可能性が高い。つまり約180kmのレースを4本続けて行うようなハイスピードバトルが展開されることになりそうだ。気温も路面温度も高くなるため、ピットインのたびにほぼ全車がタイヤを4本交換することとなるだろう。したがって、コンスタントラップに優れ、ピットワークなどでミスのないトータル的に優れたチームが優勝候補となる可能性が高い。
前回のSUGOでトップを走行しながらも残り7周で、タイヤカスのようなものがキルスイッチをヒットしたことで突然のストップを強いられ優勝を逃した本山哲/ブノワ・トレルイエの#23「MOTUL AUTECH GT-R」は、SUGOの無念を晴らすレースとなるか。ハンディウェイトも46kgと比較的軽量で、ミシュランタイヤと共に夏場の暑いコンディションでの圧倒的なスピードを今回も見せつけることとなるだろう。#24「HIS ADVAN KONDO GT-R」(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/安田裕信)にタイヤを供給する横浜ゴムも夏場に強いイメージがあり、この鈴鹿に勝負を賭けて来る可能性も高い。ハンディウェイトは62kgとやや重めだが、これよりも重い車両も多く上位をうかがうチャンスは大いにあるだろう。GT-R勢のなかでシリーズポイントが最も上位(3位)の#12「カルソニック IMPUL GT-R」(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、ハンディウェイトが82kgと厳しい展開になるかもしれない。しかし700kmという通常の倍以上の距離を走るレースということもあり、上位に食い込む可能性も十分。06年、08年と2年ごとに真夏の鈴鹿で優勝を果たしており、この法則が今年も当てはまるか? GT-R勢が搭載しているエアコンは、過去に一度もトラブルが発生したことはなく、暑くなりそうな今回も大きな武器となる。なお今回の予選はドライバー2名の力量が問われるノックダウン方式だ。
今年も決勝レースのスタート時間は15時とまだまだ暑い時間。したがってレースの前にはできるだけ日陰を探して休むなど体力を温存し、熱中症にならないためにも十分な水分の補給を忘れずに! 予選日には前夜祭、決勝レース後は花火打ち上げも実施されるので、真夏のイベント全体を楽しんでほしい。


ニスモ鈴木豊監督
「富士のテストでは鈴鹿で使用する新しいタイヤの確認も行いましたが、手応えを感じることができました。SUGOでお見せしたパフォーマンスを今回も発揮できると思います。テスト2日目の午後には雨がポツポツと落ちてきて、新しいレインタイヤの確認もできました。もし雨になったらドライバー勝負になるでしょうし、特にブノワは雨でも速いですから心配はしていません。今回は性能を向上させた新しいスペックのエンジンを搭載して臨みます。前回果たせなかった優勝はもちろん、残り3戦すべてを取るつもりで戦います。暑いレースとなりそうですが、熱い応援をぜひよろしくお願いします!」
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