タイトル奪回のためにチャレンジャーとして優勝を狙う
          鈴鹿観戦ポイント (2009年掲載)
2010年シーズンのSUPER GTは2年ぶりに鈴鹿で開幕することになった。鈴鹿は1962年オープンと日本のサーキットの中で最も長い伝統を持つ。世界的に珍しい立体交差のある「8」の字型レイアウトで、高速コーナーから低速コーナーまでさまざまな要素を持ったテクニカルコースでもある。F1GPをはじめとする国際レースも多く開催され、日本を代表するサーキットだ。また遊園地やホテルが隣接し、レクリエーション施設としても人気がある。
鈴鹿の国際コースは昨年春にグランドスタンドからピット周辺が大きく改修され、コースも最終コーナーからダンロップコーナーまでの路面舗装を行った。また2コーナー内側やS字コーナー内側のコースサイドにスペースを設け、ファンが間近でレース車両の走行を見られるようになった。特にS字でのセッティングに重点を置くドライバーが多く、ここでの車両の動きやドライバーのステアリングさばきをチェックしておきたい。
チャンピオン奪回を目指す#23「MOTUL AUTECH GT-R」は、本山哲とブノワ・トレルイエのコンビネーションも3年目。昨年、本山が3回ポールポジションを獲得するなど、どちらのドライバーがアタックしても上位を狙えるのが強みだ。今回はノックダウン方式と双方のドライバースキルが求められる予選方式が採用される。基本的にセッティングと予選アタックはトレルイエが担当するが、本山もノックダウン予選に出走し、上位進出を狙うことになる。本山もトレルイエもこの鈴鹿を得意としており、また今回はウェイトハンディのないレースとなるため、十分に勝機はあるだろう。
NISSAN GT-Rは昨年までのVK45DEエンジンに替え、SUPER GT規定に沿い新たに開発したV8 3.4リッターのVRH34Aエンジンを搭載。データ的にはVK45DEエンジンとそん色ない性能を発揮している。今年、GT500クラスの性能調整は行われないことが発表されており、接近戦が予想される。#23 GT-Rは今年からミシュランタイヤにスイッチしたが、開幕前のテストでもトップタイムをマークするなど、手応えをつかんで開幕を待ち望んでいることだろう。
今年のGT-Rは3台に集約して参戦となるが、全車が新エンジン、改良したリアフェンダーとリアウィングを装着して臨む。3台のGT-Rはそれぞれが別ブランドのタイヤを装着するが、チーム間の競争意識がGT-Rをより速いマシンに仕上げていくことだろう。NISMOは2名のメカニックが新たにチームに加わったが、それ以外は昨年チャンピオン争いをしたほとんどのスタッフが残留。強いチームワークで、タイトル奪回に向けて、まずは開幕戦の優勝に挑む。


ニスモ鈴木豊監督
「NISMOは新エンジンを搭載し、新たにミシュランタイヤと組んでの参戦となります。新エンジンについてはドライバーもいいフィーリングを感じているようですし、性能面でもまだ伸びしろがあると思います。ミシュランタイヤも予想以上に積極的な開発をしていただいたこともあり、いい手応えを持って臨めます。テストではGT-R勢が上位にいることが多かったのですが、今年は3メーカーとも拮抗したシーズンになると予想しています。チャンピオン奪回を目指して、チャレンジャーの気持ちで開幕から優勝を狙っていきますので、応援をよろしくお願いします」
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