事前テスト好調のGT-R、シリーズ連覇に臨む
今年のSUPER GT開幕戦の舞台となるのは岡山国際サーキット。F1 GP(94、95年)も開催されたことのあるサーキットで、昨年からは世界ツーリングカー選手権(WTCC)、そして今年はアジア・ル・マン・シリーズも開催されるなど、まさに「国際サーキット」。2本の長いストレート以外はタイトなコーナーが連続することもあり、レーシングカーにはトップスピードとコーナリング性能が要求される。ディフェンディングチャンピオンである本山哲/ブノワ・トレルイエの#1「MOTUL AUTECH GT-R」は、昨年同様この岡山ラウンドを制し、シリーズ連覇に向けて幸先良いスタートを切りたいところだ。

09年シーズン、GT-Rは昨年より1台少ない計4台が参戦。今年はメーカー間でエンジン排気量や搭載位置に違いがあるため、GT-Rは最低車重1,130kgでリストリクター径はφ28.3×2となった(SC430は1,100kg/φ29.1×2、NSXは1,120kg/φ28.8×2)。また、今年の車両規定により空力パーツに大幅な変更を実施。フロントリップが短くなり、フロントバンパーに付けられていた整流板のカナードも装着禁止となり、さらにはリアフェンダーの形状も変更している。これによりコーナリングのスピードが落ち全体的にスピードが抑制されることになった。

3月7〜8日に現地で行われた公式テストでGT-Rは、2日間のトータルで4台すべてがトップ7に入る速さを見せた。レースウィークでも、この好調さを持続したい。GT-R勢は今年、ブリヂストン(#1、#12GT-R)、ヨコハマ(#24GT-R)、ミシュラン(#3GT-R)と3つの異なるタイヤブランドを使用する。天候や路面温度によってタイムの違いが出ることもあり、GT-R勢でのバトルが展開される可能性もある。昨年は55kgのウェイトハンディを搭載した#23GT-Rがポールtoフィニッシュを果たし、#12GT-Rが3位に入るなど、GT-Rと岡山国際との相性は良い。

岡山はスタンドからコースまでの距離が近く、GTマシンの動きやエキゾーストノートを楽しむファンにとっては観戦しやすいコース。今年は開催スケジュールが3日から2日となり、土曜日には練習走行、公式車検、2回の予選が行われるなどチームにとっても観客にとっても非常にタイトなスケジュールとなる。観客も、どのセッションをどのポイントで観戦するのかなど、サーキット内での綿密な行動計画を立てることが重要だろう。現地では昨年の車両との外観の違いを調べてみるのも楽しいだろう。

岡山の観戦&撮影ポイント・・・小宮岩男カメラマン
「岡山はファンがコース近くまで寄れる場所が多くて撮影しがいのあるコースです。ポイントはヘアピン立ち上がりが狙えるリボルバーコーナー内側のスタンド、ホッブスコーナー(Wヘアピン2個目)やマイク・ナイトコーナーの外側も近くで迫力ある車両を撮ることができます。また2コーナースタンドではGTマシンを俯瞰で撮ることができ、またヘアピン付近など複数のポイントをチェックすることもできます。いろんなポイントで狙えるのも岡山の魅力でしょう」

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