「MOLA レオパレス Z」が6位ゴールでチャンピオン獲得!
「ダイシン ADVAN Z」は残念、最終周にガス欠で7位ゴール
 SUPER GT第9戦(最終戦)FUJI GT 300KM RACEの決勝レースは、予選9位からスタートした#46「MOLA レオパレス Z」(星野一樹/安田裕信)が6位フィニッシュで、ドライバーズタイトルとチームタイトルの両方を獲得。予選14位の「ダイシン ADVAN Z」(青木孝行/藤井誠暢)は終盤まで6位で走行していたが、最終周にガス欠症状を起こして7位ゴール。シリーズ4位でシーズンを終了した。


 決勝レース直前まで冷たい雨が降っていた富士スピードウェイだが、各車がグリッドに着くころには雨も上がった。コースはセミウェット状態で、タイヤ選択が難しい状態だったが、GT300の多くはスリックタイヤを選択した。今回、シリーズチャンピオンを狙う#46Zは、ライバルの#43ガライヤ、#2紫電より前でゴールしたいところ。また#81 Zはチャンピオン獲得の権利を持ってはいるものの、最低でも優勝と厳しい状況だった。この2台ともスリックタイヤを選択してレースに臨んだ。

 14時7分、66周の決勝レースがスタート。9位スタート、#46 Zの星野はコカ・コーラコーナーで後続に追突されてスピン。23位まで大きくポジションを落としてしまった。14位スタート、#81 Zの青木は最初の2周こそポジションを落としたが、タイヤが温まった4周目に9台抜きで9位にポジションアップ。さらに18周目には7位、21周目には6位へと躍進した。#46 Zも23位からレースをあきらめずに猛プッシュのレースを展開し、わずか4周で14位まで順位を挽回。13周目には得点圏となる10位までポジションを上げた。しかし#43ガライヤが背後に迫った17周目のダンロップコーナーで、後続の車両が止まりきれずに#46 Zのボディサイドに追突。星野はたまらずスピンを喫して、さらにここに#43ガライヤが避けきれずに3台の車両が立ち往生することになった。まず#43ガライヤ、そして遅れて星野も16位でレースに復帰したが、2台の差は20秒ほどもあり、さらにポイント圏外。これで勝負あったかに思われた。

 25周目あたりから再び雨が降り出した。#46 Zは28周でピットインして安田に交代。また#81 Zは31周でピットインして藤井に交代。中盤は、安田、藤井と若手のドライバーが頑張りを見せ、GT300のルーティンピットがほぼ終了した34周目には#81 Zは5位、#46 Zは10位。#46 Zの安田はチャンピオンを争う#2紫電に追いつき39周目の最終コーナーでインをついた。しかし#2紫電がインをしめた結果、2台は接触して#2紫電がスピン。しかしこのアクシデントはレーシングアクシデントと判定された。54周目、6位の#81 Zに続く7位に上がった#46 Zだったが、#43ガライヤも9位におり、このままこのポジションでゴールとなれば77点と同点だが、 今季2勝を挙げている#43ガライヤにチャンピオンを奪われる。しかし#46 Zと6位の#81 Zには20秒ほどの差があり、このままでは逆転も難しそうだった。

 ところがファイナルラップ、6位走行中の#81 Zが最終コーナーを立ち上がったところからガス欠症状が出てまさかのスローダウン。藤井は何とかチェッカーを目指すが、ゴール直前で#46 Zがこの横を駆け抜けて6位でフィニッシュ。#81 Zはチェッカーを受けたものの7位となった。しかしこの結果、#46 Zが#43ガライヤを1点差で上回り、逆転でチャンピオンを獲得。Zのドライバーチャンピオン獲得は、03年の木下みつひろ/柳田真孝以来、5年ぶりだった。また#46 ZのMOLAは初のチームチャンピオンで、ダブルタイトル獲得となった。


星野一樹(#46「MOLA レオパレス Z」6位、シリーズチャンピオン)
「素直にうれしいです。ゴールの時点では何も分からなかったんですが、チャンピオンだって言われて。最初のアクシデントの後は予選並みに頑張って走ったんですが、2回目のアクシデントではさすがに諦めそうになりました。でも無線で『絶対に諦めるな』と言われて、気を取り直して走りました。雨が降ってきたので早めにピットインしたんですが、安田も毎周のようにポジションを上げてくれたし、表彰台に上がったときに『チャンピオンになったんだ』と実感しました」

安田裕信(#46「MOLA レオパレス Z」6位、シリーズチャンピオン)
「アクシデントで(チャンピオン獲得は)ダメだと思いました。でも雨で流れが変わると思いました。ピットワークも完璧でしたし何も考えずに走りました。途中接触とかもありましたが何とか最後まで走ってチェッカーを受け、無線で『チャンピオンだ』と聞きました。全戦全力で行くということで、最後の3戦は100kgのウェイトを積んで走ったんですが、チャンピオンを獲れたことは本当にうれしいし、チームやファンに本当に感謝しています」
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