「YellowHat YMS TOMICA GT-R」がポールトゥウィン。
NISSAN GT-R、今季5勝目を記録。
2008年のSUPER GT第7戦決勝レースが、9月14日(日)に栃木県茂木町のツインリンクもてぎ(1周4.801km)で行われ、ポールポジションから決勝レースをスタートした「YellowHat YMS TOMICA GT-R」(#3 ロニー・クインタレッリ、横溝直輝)が終始落ち着いたレース運びで優勝。ポールトゥウィンを達成した。NISSAN GT-Rは、SUPER GTレース今季7戦中5勝目となった。

金曜日の練習走行から好調の#3 GT-Rがポールポジションスタート
金曜日の練習走行から好調ぶりを発揮していた「YellowHat YMS TOMICA GT-R」は、今年初めて採用されたノックダウン方式の予選でもベストタイムを連発。最終セッションまで勝ち抜いて、決勝レースをポールポジションからスタートすることとなった。

この日の朝、栃木県東部地域には小雨が降ったものの朝のうちに晴れ上がり、気温も正午には27度を超すほどになっていた。サーキットを訪れた3万9000名の観客が見守る中、午後2時にフォーメーションラップがスタートした。ポールスタートの#3 GT-Rは、クインタレッリが序盤から他の追従を許さずに2位以下を引き離し、隙を見せることなく首位を守って30周目にピットインし、横溝にドライバー交代した。

コースに戻った横溝は2位との3秒ほどの間合いを常に維持しながらもタイヤをいたわり、ミスを避けた走行を心がけた。#3 GT-Rの危なげない走りは終盤まで変わらず、#1 NSXを抑えて63周目のフィニッシュラインをトップで走り抜けた。ツインリンクもてぎのGTレースでは、これまでNSXが7年連続で優勝記録を更新し続けていたが、NISSAN GT-Rが連勝をストップさせた。

復調「XANAVI NISMO GT-R」は最後に苦い結末を迎える
これまで苦しめられて来た性能調整が解除され、本来のエンジン性能を発揮できるようになった「XANAVI NISMO GT-R」(#23 本山哲/ブノワ・トレルイエ)は、予選4位からトレルイエが決勝レースをスタート。ポジションを維持して走行し、27周目にピットインし本山にドライバー交代した。後半、追い上げるライバル達としのぎを削り、我慢の周回を重ねた本山は8位で最終ラップを迎えた。そのままフィニッシュかと思われたが、最終周の終盤に他車とのアクシデントを避けてコースオフ。グラベルからコースに戻った際に#25 SC430と接触し、フロントサスペンション回りを壊してしまう。そのままチェッカーフラッグを受けて12位完走となった。本山は、「最後はポイント獲得も逃してしまい、後味の悪い結末となってしまいました。でもそれは今日限り忘れて、次のオートポリスで勝つことだけを考えたいと思います。必ずチャンピオンをとるつもりで攻めに行きます」とコメントした。

予選7位の「MOTUL AUTECH GT-R」(#22 ミハエル・クルム/柳田真孝)は、クルムがオープニングラップでライバル車両2台に挟まれてアクセルオフし、行き場を失った所で他車と接触して順位を落としてしまう。その後、このアクシデントでドライブスルーペナルティを受け、さらに順位を落とした。後半を受け持った柳田は12位で最終周を迎えたが、他車のアクシデントによってポイント圏内の7位に順位を上げてレースを終えた。

前回優勝の「カルソニックIMPUL GT-R」(#12 松田次生/セバスチャン・フィリップ)は11位完走、「WOODONE ADVAN Clarion GT-R」(#24 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治)は14位でフィニッシュした。


#3 GT-Rドライバー 横溝直輝
「HASEMI MOTORSPORTにとって久々の優勝なので、本当に嬉しいです。落ち着いてミスなく走れば結果は自ずとついてくる、と長谷見さんから指示を受けていましたので、最終ラップにトラフィックに詰まったときも慌てずに対処できました。今週はクルマのバランスが最高で、ロニーとのコンビネーションもベストでした。素晴らしいチームメイトとレースができて本当にハッピーです。あと残り、全力で走り悔いのないシーズンにしたいです」



第7戦が終了した時点で、#22 GT-Rのクルム/柳田組がポイントランキング3位、#23 GT-Rの本山/トレルイエ組が同4位となった。しかし、両車とも第8戦オートポリスにはランキング上位2車よりも軽いウェイトで臨むことができる。2008年SUPER GTのチャンピオン争いは次戦で行方が明らかになりそうだ。
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