NISSAN GT-Rは性能調整に苦しむ。
「カルソニック IMPUL GT-R」の9位完走が最上位
5月4日(日)に静岡県小山町の富士スピードウェイ(1周4.563km)でSUPER GT第3戦決勝レースが行われた。5台が出場したNISSAN GT-R勢は特別性能調整のウェイト増に苦しみ、予選10位からスタートした「カルソニック IMPUL GT-R」(#12 松田次生/セバスチャン・フィリップ)の9位完走が最上位記録であった。

GT-R勢は序盤からペースアップが叶わず
ゴールデンウィークの最中とあって富士スピードウェイには5万6900人もの観客が集まった。曇り空ながら暖かい春のそよ風に吹かれながら、14時に110周の決勝レースがスタートした。開幕から2戦連続で1-2フィニッシュを遂げているGT-Rは特別性能調整として今回から一律80kgのウェイトが搭載された。その中で最も重量の軽い「WOODONE ADVAN Clarion GT-R」(#24 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ、荒聖治)組は予選12位から好スタートを切ってオープニングラップを終えると9位に上がった。スタートドライバーのオリベイラは、安定した走りで22周目には8位にポジションアップを果たし、ドライバー交代のためにピットインした。一時順位を落としたが、各車のピットインがおおよそ一巡した40周過ぎには9位に回復。その後も順調に周回を重ねたが、66周目にタイヤブローで緊急ピットイン。このためにタイムロスを喫し、11位で完走となった。一方、公式予選10位の「カルソニックIMPUL GT-R」(#12 松田次生、セバスチャン・フィリップ組)は、序盤をフィリップが13位で周回。その後#22 GT-Rと接触するアクシデントがあり15位に後退した。終盤に7位まで順位を上げ、さらなる上位進出を試みたが81周目に単独スピンし、最終的には9位でチェッカーフラッグを受けた。予選15位の「YellowHat YMS TOMICA GT-R」(#3 ロニー・クインタレッリ/横溝直輝)には、メカニカルトラブルが発生。ピットガレージで20周以上の時間をかけて修復し15位で完走した。

ニスモの2台も今回は上位進出ならず
開幕2連勝中の「XANAVI NISMO GT-R」(#23 本山哲/ブノワ・トレルイエ)組は、参加全車両の中でも最も重い100kgのウェイトを搭載した上、エンジンパワーを制限するエアリストリクター径もハンディ95kg相当を縮小され、本来のパフォーマンスが発揮できずにレースを終えた。予選13位からレースをスタートし、トップから2秒以上遅いラップタイムで上位陣を追うものの叶わず、さらにタイヤと燃料をセーブし、500kmレースを1回の燃料補給で乗り切る「ワンピットストップ」作戦を取り入れたが、ギャップを埋められず14位のままレースを完走した。また、チームメイトの「MOTUL AUTECH GT-R」(#22 ミハエル・クルム/柳田真孝)は16位からスタートしたものの、マシンの状態は良く早めの上位進出が期待された。しかし、序盤に#12 GT-Rと接触したことでドライブスルーペナルティを受け、その後も不注意から違反行為を取られて10秒のピットストップペナルティが課せられた。それでも10位まで順位を上げてポイント獲得圏内でゴールした。しかし、最終ラップでの他車との接触が危険行為と見なされ、競技結果に35秒のタイムペナルティが加算されて12位に後退した。


ニスモ飯嶋監督
「とても残念な結果でした。22号車は、不運やミスが重なっていい所なしでした。クルマの状態は悪くなかったので、ペナルティを3回も受けたとことがとても悔やまれます。23号車は明らかに性能調整が重くのしかかり、手も足も出なかったというのが正直なところです。SUPER GTは勝ち続けることができないルールとなっているのですが、今回のハンディキャップは特にこの富士では予想以上に厳しいものでした。気分を一新し、また今回の反省を活かして次のセパンではエキサイティングなレースがお見せできるようにがんばります」
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