「カルソニックIMPUL GT-R」が10位でスーパーラップを終える。
GT-R勢は、重量増に苦しむ
雨の予選1回目。カルソニックIMPUL GT-RがSL進出。
NISSAN GT-Rが開幕2戦連続で1-2フィニッシュを決め、強さを発揮している本年のSUPER GTシリーズは、ゴールデンウィークの真只中の5月3日(土)に富士スピードウェイで第3戦の公式予選が行われた。開幕2戦で圧倒的なパフォーマンスを見せたGT-Rは、最低重量がNSX、SC430と比べて最も重い1180kgに設定され、さらに第2戦までに好成績を残した「XANAVI NISMO GT-R」(#23 本山哲/ブノワ・トレルイエ)、「MOTUL AUTECH GT-R」(#22 ミハエル・クルム/柳田真孝)、「カルソニック IMPUL GT-R」(#12 松田次生/セバスチャン・フィリップ)には、それぞれハンディウェイトが課せられている。中でも2連勝中の#23が最も重く、総重量は1295kgとなっている。(規則上の走行重量最大は1200kgまでだが、95kg相当のリストリクター径縮小が課せられている)

公式予選は小雨が降るウェットコンディションで始まったが、GT500専有時間には雨脚は弱まり路面も乾いていった。しかし、各車がタイムアタックを行っている間に再び雨が降り出し、予選はタイヤ選択によって明暗を分けた。松田がアタックした#12は、チームの判断で浅溝レインタイヤのまま走行し、GT-R勢トップとなる10番手タイムを出し、スーパーラップに進む権利を得た。一方、クルムが浅溝でセットアップを確認し、柳田がスリックタイヤでコースインしていった#22は、降り出した雨に妨げられてタイムが出せず16位となった。本山がレインタイヤでアタックした#23は、14位。「WOODONE ADVAN Clarion GT-R」(#24 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治)は13位、「YellowHat YMS TOMICA GT-R」は15位で公式予選を終えた。その後3番手の車両が違反によりタイム抹消となったため、GT-R勢はそれぞれひとつずつ順位が繰り上がった。

飯嶋嘉隆ニスモ監督は、「天気がめまぐるしく変化したので、予想を越えた展開となりました。しかし、最も重いクルマの本山はこれをチャンスとして活かし、13番手グリッドを手に入れましたし、22号車はちょうど良くないタイミングでスリックに交換したため、満足に走れないうちに専有時間が終わってしまいました。明日は長丁場だし気温も上がると思うので、チーム力やタイヤマネジメントがレースに大きく左右します。後から追い上げ、結果的に上位進出するようなレース展開を描いています」と語った。

カルソニックIMPUL GT-Rが10位
公式予選日の午後は午前とは一変し、穏やかな好天となった。気温も20度を超え、コースは瞬く間に全面ドライとなった。15時25分過ぎから15分間行われた公式予選2回目は、各チームともまずはドライコンディションでのマシンの状態をチェックし、予選1回目の上位陣はスーパーラップ(SL)でのタイムアタックに備えた。

SLでは、1回目の予選で9位となった唯一の日産車、「カルソニックIMPUL GT-R」がセッション開始2番目にコーイスンしていった。アタックドライバーの松田次生は、慎重にタイヤをウォームアップしてアタックラップに臨んだ。しかし、100kg(プラス10kg分のエアリストリクター径縮小)重いマシンのコントロールに苦しんだ松田は、最終的に10位でSLを終えることとなった。

松田次生は、「やはり100kgの重量増は厳しかったですね。特にコーナーでは、苦しみました。エアリストリクターも絞られているためストレートも辛かった。でもそれは分かっていたことなので、可能な限り攻めました。でもダンロップコーナーでは0.2秒くらいロスしてしまいました。明日の決勝レースはサバイバルレースになると思います。厳しいレースには違いないですが、がんばって生き残り7位以内を目指します。ウェイトも下ろしたいです」と語った。

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