NISSAN GT-Rが予選1-2-3位を独占。
ポールポジションは、「MOTUL AUTECH GT-R」が獲得。
予選1回目から、NISSAN GT-Rが1、2、3位
NISSAN GT-Rがサーキットに戻って来た。2008年のSUPER GT開幕戦「SUZUKA GT 300km」の公式予選が、3月15日(土)に行われ、注目のNISSAN GT-Rはデビューレースの最初の走行からが強烈な印象を残した。
この日は、快晴ながら気温は13度と肌寒い。朝10時20分からのGT500の公式予選アタックタイムでは、「XANVI NISMO GT-R」(#23)のブノワ・トレルイエが2位の僚友「MOTUL AUTECH GT-R」(#22)を駆るミハエル・クルムが記録したタイムを0.6秒上回る驚異的なタイムで暫定首位を獲得。3位には、地元三重出身の松田次生がアタックした「カルソニック IMPUL GT-R」(#12)が0.4秒差で続いた。唯一ヨコハマタイヤを装着している「WOODONE ADVAN Clarion GT-R」(#24 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治)も8位に入ってスーパーラップ(SL)に進出。「YellowHat YMS TOMICA GT-R」(#3 ロニー・クインタレッリ/横溝直輝)は、0.1秒差でSL出場権を逃した。
1番時計をマークしたトレルイエは、「気分は最高です。昨日の練習走行から調子は良いです。スーパーラップでは、他のクルマもタイムアップしてくるので、GT-Rが強いからと言って簡単にポールポジションが取れるとは思いません。まずは、スピンアウトしないように走ります」とコメント。本山哲とともに、観客席の声援に手を振って応えていた。

白熱のスーパーラップに観客席も沸き上がる
午後には15分間の公式予選2回目を経て、いよいよ決勝レースのスタート位置を決するスーパーラップ(SL)が行われた。第1回目のトップ10車両が一台ずつタイムアタックするこのSLは、午前中の予選よりも気温・路面温度が上がり、さらなるタイムアップには不向きな状態。5番目にスタートしたオリベイラの「WOODONE ADVAN Clarion GT-R」(#24)は、アタックラップの前半にタイヤ温度を上げきれずタイムロス。後半挽回したものの及ばず、順位をふたつ落としていた。しかし、トップ3のGT-R 3台のアタック合戦となると、土曜日にも関わらずNISSAN GT-Rの復活デビュー戦を目撃するために集まった日産ファンの興奮は頂点に達していた。
予選1回目に思うような走りができず3位に甘んじた松田次生の「カルソニック IMPUL GT-R」(#12)は力強い走りを見せて、0.8秒タイムアップ。そして続くミハエル・クルムの「MOTUL AUTECH GT-R」(#22)は、さらに激しくプッシュし、自己タイムを約1秒縮めるスーパータイムをたたき出した。このあと、ブノワ・トレルイエ(#23 XANAVI NISMO GT-R)の反攻に注目が集まったが、アタック周回の序盤にわずかにタイムロスすると、終盤までそれをカバーすることが叶わず、#22 GT-Rのポールポジションが確定。同時にNISSAN GT-Rの予選1-2-3位独占も決定した。GT-RがGTレースで予選1〜3位を独占するのは、1995年の開幕戦以来であった。

緊張から一転、満面の笑みを見せたPPコンビ
SLがスタートするまで緊張感がみなぎり、近寄りがたい雰囲気だったミハエル・クルムは、ポールポジションが決定すると満面に笑みをたたえ、チームメイトや関係者と喜びを分かち合った。「ポールポジョンは非常に久しぶり。午前中は少しハンドリングに問題があったのですが、修正を加えて完璧なクルマに仕上がりました。素晴らしいクルマを作ってくれたデザイナー、エンジニア、そしてメカニックに感謝します。また、ファンの皆さんの応援にも心から感謝しています」とクルムはコメントした。チームメイトの柳田真孝は、「クルムさんはとても気合いが入っていたし、ハンドリングの問題も解決していたので安心してみてられました。僕もアタックショーを楽しんでいました。明日は、3年前の僕とは違うところをちゃんと見せて、優勝を狙います」と語った。飯嶋嘉隆ニスモ監督は、「第一ハードルはクリアしました。しかし、本番は明日のレースです。長丁場なので、ミスや接触などのトラブルを起こさないよう細心の注意を払いながら、GT-Rのデビューウィンを目指します」とまとめた。


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