WEC REPORT

Vol.
2014.7.21

皆さん、こんにちは!SUPER GT 2014 第4戦菅生、天候が荒れる中、たくさんの声援ありがとうございました。その皆さんの熱い声援に応える結果を出すことができず、申し訳ありませんでした。

今回NISMOはオートポリス戦のポイント付加により、ハンディウェイトが50sをオーバーしたため、レギュレーションに則りリストリクターのサイズダウンが適用されました。そして、前回同様ロードラッグ仕様が決定されたSUGO戦は、チーム力が問われる難しいレースになることは予想されていた上に、天気予報通りの荒れた天候・・・全く展開が予想できませんでした。

ただ、土曜日の午前中の走行において、私たちは雨量が多いコンディションではかなり良い手応えを感じることができました。また、今年はウェットコンディションで充分にテストをすることができていなかったため、充実した走行時間ともなりました。しかし、午後は気温が上がったせいか、濃霧が発生し、午後の予選はキャンセル・・・。

日曜日の朝に変更された予選は各クラス25分間で、ドライバーは1人でもOKという予選フォーマットととなり、ミシュランタイヤに慣れているRONNIEがアタックを担当し、見事3位という結果を残してくれました。RONNIEは最後まで少しでも前に行こうとアタックを続けていましたが、予選アタックを終えたマシンにひっかかってしまい、100%満足な結果とは言えなかったようです。しかし、ハンディを考えれば充分な結果。チームは決勝に大きな望みを持つことができました。

そして、決勝。グリッドでは雨は止んでいましたが、まだ路面は乾いていない状態。全チームが同じ状況であったと思いますが、NISMOもグリッド上では「タイヤはウェットかスリックか」と、ぎりぎりまで監督・エンジニア・ドライバー皆で話し合っていました。周囲もお互いライバルを監視するような、ピリピリとしたグリッドでした。そして最終的には全車スリックをチョイスした様子で、NISMOとしても3位というグリッド位置を考えるとギャンブルはせず周りに合わせ、スリックでスタートをすることとなりました。

ところがフォーメーションラップで雨が降り始め、NISMOがチョイスしたタイヤが濡れた路面には合わず、スタートすると共にRONNIEは一気に後方のマシンに抜かれてしまいました。すぐにピットインをしてウェットタイヤに変える作戦を取ったマシンが数台いる中、NISMOは雨が止む方向であると判断し、タイムとストレートスピードが全く周囲のマシンとは異なる厳しい状況の中、RONNIEは我慢し続けました。

すると10周目には雨も上がったせいかタイヤのグリップも上がり、タイムも上がってきました。その後はかなり良いペースで走ることができ、6位まで順位を戻し、52周を終えてピットインをしました。RONNIEが踏ん張ってくれたマージンのおかげで、ピット作業を終えてコースに戻った時点で、4位まで順位を挽回することができました。しかし、その後再度雨が降り始め、RONNIEがスタート直後に起こった、ノーグリップの状態に次生くんも陥ることになりました。そして次生くんもマシンのコントロールするのが精一杯の様子で、一度はコースアウトをするも何とか立て直し、コースステイするのがやっとのように見えました。スタートでの降雨時に対する判断は、結果的にはタイヤをウェットに変えなかったチームの戦略が当たったこともあり、同じような状況下での判断にチームは悩みましたが、あまりにもこの雨量でスリックのままコースステイし続けるとロスタイムが大きいため、結局NISMOもウェットタイヤに交換することになりました。

その後、次生くんは少しでも多くのポイントを取ろうと必死に走行するも、ラスト5周で「ギアの3速がなくなった!」と無線で入りました。とにかくあと5周走り切れればという思いで必死にドライブを続けましたが、ラスト2周でマシンをピットに戻すという苦渋の決断をすることになってしまいました。

もちろん、ハード面においてもギアトラブルというマシントラブルが再度レースで起きてしまったことも大きな敗因ではありますが、今回は何もかもが噛み合わないレースになってしまったと思います。あのような厳しい苦しい状況下でこそチームの真価が問われるのだとすれば、合格点はもらえないレースだったし、チームとして少しでも状況を好転させることができたかどうかと聞かれれば、それはできなかった結果だと言えるでしょう。

また、GT-R勢としても46号車が7位、12号車が9位、24号車が10位という厳しい結果となってしまい、オートポリス戦のようなGT-Rの雄姿を皆さんにお見せすることができませんでした。

チームとしても、コンストラクターとしても、今シーズンの中で最も苦いレースを経験した今、NISMOはシーズン後半戦を前に、一度気持ちをリセットする必要がありそうです。私たちは、それぞれどんな仕事をしていても、どんなに考え方が異なっても、必ずぶれない共通点があります。それは目標が「勝利」「チャンピオン」であること。それはとてもシンプルではありますが、目指す最終地点が同じであるということは、仕事をしている上でとても幸せなことだと思います。そんなシンプルかつ大きな目標を達成するためには何が大事なのか、そして自分が何をしなくてはいけないのか、もう一度みんなで考えていきたいと思います。そして、取りこぼしてしまったポイントを後半戦できちんと取り返して、チャンピオンへの道を最後まで諦めずに、NISMOスタッフ全員で努力していこうと思います。

皆さんも、これからも私たちNISSAN/NISMOを応援してくださいね!そして、また表彰台から皆さんの笑顔を見ることができるように、まずは次戦の富士に向かって頑張ります!

応援ありがとうございました。次は富士スピードウェイでお会いしましょう☆

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