Vol.7 - 2013.10.7

最後まで諦めない

皆さん、こんにちは!
オートポリスまでお越しくださった皆さん、風邪など引いてはいませんか?雨や風にあたると体力を奪われるので、心配です・・。悪天候の中、応援ありがとうございました!

まず初めに・・・SUPER GTオートポリス第7戦決勝、NISMOはピット作業違反によりドライブスルーペナルティを受け、ファンやスポンサーの皆さんを失望させる結果になってしまったこと、心より申し訳なく思います。

NISMOのピット作業は定評もあり、私たちも自負していました。それにも関わらず、チャンピオンシップを賭けた「ここ一番」というレースで、自分たちのミスにより順位を落とすことになってしまったことは、私たちチーム員にとっても大変悔しい結果となりました。

しかし、鈴木監督がレース後の終礼で「人間の価値はミスしたことよりも、そのミスした後で決まる」と言っていたように、決して同じ過ちを犯さないよう、チーム全体の責任として問題点を分析し、今後につなげていきたいと思います。

オートポリスの週末は台風の影響を強く受け、金曜日の設営日こそいい天気ではありましたが、土曜日は1日中強い雨が降り、走行スケジュールが全てキャンセルとなりました。予選は日曜日の朝、各クラス25分間で行われることになり、練習走行なしの一発本番という状況でした。ただ、それはどのチームも皆同じ条件ですし、NISMOは8月にオートポリスのタイヤテストに参加していたので、コンディションは違えど、イメージはうまくできていたと思います。使えるタイヤは2セット、ドライバーは1人でもいいというイレギュラーな予選フォーマットとなり、NISMOはRONNIEがアタックすることになりました。

予選は霧雨が降ったり止んだりの中、RONNIEはミスのないすばらしいアタックを見せ、見事2位のフロントローを獲得!実は8月のテストでは満足いくような結果を出せていたわけではなかったので、ポールポジションを僅差で逃したことは悔しくなかったと言えば嘘にはなりますが、充分な結果だったと思います。

とはいえ、レースは300km。簡単に逃げきれる勝負ではないことは明らかでした。決勝の天候は予選と同じような状況で、たまにお日様が出たかと思えば、霧雨が降ったり・・・風も強く、何だかスッキリしない天気でした。

スタートは特に混乱はなく、キレイに決まりました。RONNIEもいいペースで走っていましたが、前を走る38号車には差を徐々に広げられ、逆に後続車に差を詰められる形になり、結果5位まで順位を落としてしまいました。そして29周目にピットイン。そこでピット作業ミスが起こってしまいました・・・。SUPER GTにはタイヤ交換と給油を同時に行ってはいけないというレギュレーションがあるのですが、一本目のタイヤのナットを締めるタイミングと給油の開始が重なってしまったのです。そのペナルティにより7位まで順位を下げることになってしまったことは、アウトラップで頑張って前方の車にしがみつくように走っていた柳田くんには申し訳なく感じました。しかし、吉田エンジニアにドライブスルーペナルティを告げられた柳田くんは「最後まで諦めないで行くよ!」と無線で言い、逆に私たちが元気づけられてしまいました。PITの中では既にペナルティが出ることが分かっていたので、私は座ってレースを見ていられなかったのですが、その言葉で気持ちも落ち着き、それから座ってレースを見ることができました。情けないですね・・・。

結果としては柳田くんも後半タイヤもきつくなってしまい、8位チェッカーでレースを終えました。また、見事ポールポジションをゲットした3号車は、「今度こそ優勝!!」という気持ちでレースに臨みましたが、「不運」という言葉ではもはや済ませることができないマシントラブルによりリタイアを余儀なくされました。

3号車も23号車も皆さんが納得のいく結果を出せないままでいるということを胸に、日々の仕事をより精度の高いものにしていく必要があると思います。

そして、12号車は次生くんのすばらしい切れた走りで予選5位から2位まで順位を上げるも、JPがスピンをしてしまいリタイヤ・・・。12号車はチャンピオンシップの首位にいただけに、残念な結果となりました。でも、私は次生くんの走りは、かっこよかったなぁ・・・と思います。

決勝4位の1号車と6位24号車はポテンシャルを出し切った上での、結果だったと思います。1号車は表彰台が見えていただけに悔しさも残りましたが、本山さんも関口くんもミスなく、あの数車連なるストレスフルな接戦を、300kmというレースの中、よく4位というポジションを守り抜いたと思っています。関口くんは今シーズン速さを見せるも、ペナルティなどで結果を残すことはできずにいましたが、今回の走りはクレバーで少し本山さんに近づいてきたような、そんな気がします。この2人が揃ってミスなく走ったら、まさに台風の目となることでしょう・・・。これからが楽しみです。

最後に・・・ドライバー、エンジニアそしてメカニックは、明らかに自分たちの仕事がそのままレース結果に反映されるのです。それは技術力だけではなく、精神力も強くなくてはいけないのだということを、再認識しました。そして、今回3基目のエンジンや新たな空力パーツを導入し、マシンには様々な人間が関わっています・・・。

思えば2008年から2013年まで、このマシンと共に戦ってきました。2008年の鈴鹿開幕戦、このマシンのデビュー戦では見事NISMOの23、22号車でワン・ツーフィニッシュでゴールしたことが、まるで昨日のことのように思い出されます。そして、喜怒哀楽を共にしてきたこのマシンで、必ず有終の美を飾りたいという思いでいっぱいです。また、メカニックたちもここで立ち止まることなく、むしろこのミスをバネに、最終戦もてぎで最高のパフォーマンスを出し切れるよう、これからもトレーニングをしていきます。私もできる限りチームのサポートをできるよう、頑張りたいと思います!

皆さん、このGT-Rが優勝で始まり、優勝で終われるよう、応援よろしくお願いいたします!ありがとうございました!!