シーズン中盤にバージョンアップエンジンを投入!
2011年シーズンを前にVRH34Aエンジンには手が加えられ、性能と信頼性の向上が図られた。だが同時にシーズン中盤の投入を目指してバージョンアップエンジンの開発も急がれていた。
第5戦・鈴鹿でついにその新型のVRH34Bエンジンが全車に供給された。これは名称からも分かるようにVRH34Aの正常進化版。VRH34Aエンジンは市販車用エンジンのパーツもふんだんに使用して組み上げられたエンジンで、純粋なレーシングエンジンではなかったが、VRH34Bはシリンダーブロック、シリンダーヘッドも変更し、純粋なレーシングエンジンとなった。VRH34Aと比べ全般的に性能向上と軽量化を果たし、軽量化されたことで重量配分が最適化されたため、マシンバランスが向上したボディとのマッチングも向上。特にハンドリング性能が向上しドライバーからもフィーリングの向上が伝えられた。
なおVRH34Bエンジンは、第7戦・オートポリスでさらに進化。性能向上を果たして最後の連戦を戦い、見事#23 GT-Rが連勝を遂げることとなった。
年間全8戦中5勝を挙げたNISSAN GT-R。車両全体の性能向上と共に信頼性も向上したことで、年間を通して4台のGT-Rすべてが一度もリタイアを喫しなかった。NISSAN GT-Rの本当の強さは、この信頼性の高さにあるのかもしれない。

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