モータースポーツ

2016.11.17

Round 3 & Round 8 MOTEGI GT GRAND FINAL

日産系チーム総監督 田中利和のレースレビュー

1年間、本当に熱い応援をありがとうございました。

2016年のSUPER GT最後の週末は、1大会2連戦と今までにない特殊な形になりました。ドライバーズランキングでは、1号車がランキング1位、12号車が6位、46号車が9位、24号車が11位につけて、この最終大会に挑みましたが、非常に厳しい戦いになりました。

24号車の2勝目で、GT-Rはシーズン5勝
金曜日の練習走行が雨で、ドライコンディションでほとんど走れない状態でしたので、土曜日の予選はまさにぶっつけ本番でした。皆が同じ条件とは言え、チームはそれぞれに、本当に難しい週末を戦い抜いたと思います。その中で、土曜日の第3戦(代替戦)の予選で佐々木選手のアタックで2位を獲得したKODNO RACINGが、再びタイヤ無交換作戦を敢行して優勝したのは本当に見事でした。ライバルメーカーの車に大量ポイントを与えるのを防いだという意味でも、1号車にとっては24号車の優勝は最大のサポートになりました。そして日曜日の第8戦では、1号車がシリーズ3連覇に挑みましたが、ライバル勢が我々以上の仕上がりを見せて、残念ながらチャンピオンには届きませんでした。

1年を振り返ってみると、GT-R勢はシリーズ8戦中5戦で勝利を挙げた一方、シリーズタイトルには手が届きませんでした。理由はいくつかありますが、獲れるはずのポイントをきちんと獲りきれなかったことや、2連戦となったもてぎ大会での競争力が、ライバルに対して劣っていたことが直接的な敗因だと考えています。8戦5勝はそう容易く出来るものではありませんし、この結果を出してくれた各チーム、ドライバー、そしてNISMOの開発スタッフの仕事ぶりを大変誇りに思います。そして来年は再び挑戦者としてチャンピオン奪還に挑みたいと思います。



得意ではないもてぎで見せたGT300の走り
GT300に関しても、3号車がランキング2位でもてぎ大会に臨みましたが、最終ランキングは4位と下がってしまいました。GT500もGT300もそうですが、この週末、ドライバーもチームもやれることはすべてやりましたが、チャンピオンには届きませんでした。3号車については、土曜日の第3戦(代替戦)でポイントを獲得できなかったのが響きました。ウェットコンディションの予選でいいスターティンググリッドを確保できなかったのが敗因です。決勝でもなかなか上に行けませんでした。一方で第8戦はドライコンディションでの予選となり、こちらも予選順位としてはあまり良くはありませんでしたが、硬めのタイヤを履くといういつものGT-R GT3のパターンで順位を上げていきました。最終的には他車と接触してクルマのバランスが崩れ、ペースを上げられませんでしたが、一時は3位まで順位を上げ、シリーズタイトルに最後まで望みをつなぐすばらしいレースを見せてくれました。

2014年にGT500に新しい技術規則が導入されてから3年。3年というタクトで見たら、大変すばらしい結果を残すことが出来たと思います。今年チャンピオンを獲れなかった事はとても残念ですが、昨年・一昨年の2年間はシリーズチャンピオンを獲得し、最終年となった今シーズンも5勝を挙げました。2019年にDTMとの規則統合がありますから、まずはそれまでの、新しい車両規則で始まる2017年、18年という2年間にきちんと対応し、日産系チーム全車がチャンピオン争いに加われるよう、常に勝ちにこだわって戦っていきたいと思います。

今シーズンも最後まで、力強い応援をありがとうございました。

SUPER GT インフォメーション : Round 8