モータースポーツ

2016.11.12

Round 3 & Round 8 MOTEGI GT GRAND FINAL

GT500クラス 第3戦

第3戦(代替戦)は9位フィニッシュで貴重なポイント追加

変則スケジュールで2大会が開催されるツインリンクもてぎ「MOTEGI GT GRAND FINAL」の第1レースとなる第3戦(代替戦)で、#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は予選11位からスタートし9位で貴重なポイントを追加した。

5月にオートポリスでの開催が予定されていた第3戦が熊本地震により延期となり、シーズンの最終大会に組み込まれた。この週末だけで最大42ポイントが獲得できることとなり、シリーズチャンピオンの行方は一層混沌としたものになった。とはいえ第7戦を終えて2位に10ポイント差をつけてランキングトップを堅持している#1 GT-Rは、3連覇に向けて万全の準備を整えてレースに臨んだ。

前日の公式練習は大雨に見舞われたため、各車満足に走行を重ねられない状況でいきなり予選に挑むことになった。今回は通常のノックアウト方式と違い、15分の走行セッションですべてのスターティンググリッドが決定。#1 GT-Rは松田が予選を担当した。
午前9時ちょうどにGT500クラスの予選がスタートした。まだ前日の雨が路面に残り、ウェット宣言が出されているなか、#1 GT-Rはウェットタイヤを装着してコースイン。松田は計測2周目で1分48秒221を記録し暫定トップに立つと、いったんピットに戻り別のウェットタイヤに履き替えて再度アタックへと向かっていった。すでに何台かのマシンが松田のタイムを上回り順位は後退。松田は自己ベストタイムを更新すべくプッシュしたが、気温11℃、路面温度12℃と低い温度の中でタイヤのウォームアップに時間がかかり、ペースアップの途中でチェッカーフラッグを受けることに。1分47秒816と自己ベストタイムは更新したものの、11位という結果になった。

肌寒い予選から一転。日差しも強くなった午後に行われた決勝レースは、気温18℃、路面温度は24℃というコンディションでスタートした。クインタレッリがスタートドライバーを務めた#1 GT-Rはオープニングラップで2つポジションを後退。タイヤもコンディションに合わないのか、ペースを上げられず幕開けとなった。3周目にGT300車両がクラッシュしたことによりセーフティカーが導入され、8周目にリスタートが切られると、再び後方からプッシュした。チームは早めのピットインを決断。19周目にタイヤ交換とドライバー交代を終え、後半スティントがスタートした。レース後半に選択したタイヤがパフォーマンスを取り戻したこともあり、#1 GT-Rはじわじわとポジションアップ。ほぼ全車がタイヤ交換を済ませた時点でポイント獲得圏内の10位まで浮上した。松田はさらに、9位を走る#100 NSX CONSEPT-GTを猛追。44周目の1コーナーでこれをかわして最後のポジションアップに成功。シリーズポイントで2ポイントを追加した。優勝マシンが大きくポイントを加算したためシリーズランキングは2位に後退したが、その差はわずか3ポイント。明日の最終戦で三年連続となるチャンピオン獲得を目指す。

#1 ドライバー 松田次生

「予選では、少しタイヤ交換のタイミングが遅かったかもしれません。(タイヤの)温度が上がりきらず、あと1~2周しないとタイムがでない状況でタイムアップとなりました。決勝レースはロニーのスティントからエンジンがフルパワーでない状態になっていて、僕に交代してからもその症状は続いていました。交換したタイヤはコンディションに合ったのかグリップを取り戻したのですが、いざという時の加速が不足して前のマシンを抜くのは難しかったです。100号車を抜いたのも、コーナーで強引に刺したワンチャンスでした。フラストレーションが溜まりましたが、最後に抜けてよかったです。また明日は仕切り直しで頑張ります」

#1 ドライバー ロニー・クインタレッリ

「選んだタイヤがマッチしなくて、僕のスティントはグリップがない状態での周回でした。それに加えてエンジンパワーが不足していたので、ミニマム周回で次生と交代しました。タイヤ的には、後半は全く問題なかったので明日への不安はありません。何と言ってもまだチャンスが消えたわけではなく、しかも明日朝の予選は、久しぶりにウェイトなしのフルアタックができるので楽しみです。3ポイント差を追う立場になってしまいましたが、また逆転チャンピオンを目指します」

ニスモ 鈴木豊監督

「予選は、後半使ったタイヤが発動する前に終了してしまいました。クルマが重いこともあり、前の方の順位は正直厳しいところでした。レースでは前半ではタイヤが路面コンディションに合わず、苦しみましたが、タイヤ交換後の後半はペースもよくなって松田(次生)がポイント圏内に押し上げてくれたので、なんとか苦しい中でも前向きな結果になったと思います。悪いところは今日全部出しきったと思いますので、明日には修正をしてチャンピオンをめざし、いいレースをお見せしたいと思います」

GT300クラス 第3戦

タイヤ選択に苦戦し13位フィニッシュ

ポイントランキング2位で最終大会に挑む#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー)。第3戦はタイヤ選択の難しいコンディションとなった予選で苦戦したが、決勝レースではポジションを上げて13位でゴールした。

8時35分からの公式予選は前日に降った大雨がコースに残り、ウェットコンディションで始まったが、上空は青空も見えていた。コースコンディションが変化していく可能性もあり、各チームでタイヤの選択が分かれた。星野が予選を担当した#3 GT-Rは、スリックタイヤでコースイン。じっくりとタイヤを温めながらコースコンディションが向上していくのを待つ作戦だった。しかし気温と路面温度が低いためか、路面状況もセッション中盤までほとんど変わることがなく、#3 GT-Rは残り時間が6分ほどになったところでいったんピットイン。ウェットタイヤに履き替えて最後のアタックに挑んだが、タイヤを温めるのに十分な時間がかけられずに、大きなタイム更新はできず。21番手と後方のスターティンググリッドとなった。

決勝レースはオープニングラップで2つポジションアップしたが、そこからはペースが上がらず苦戦。チームはタイヤを履き替えて後半スティントでのペースアップに賭け、17周目と比較的早い段階でピットインを敢行した。チームの作業もスムーズで、暫定23番手でコース復帰したが、他車のピット作業が落ち着いたレース後半には再び19番手までポジションを取り戻していた。ポイント獲得圏内まで、さらに順位を上げるべくマーデンボローのプッシュが続き、13番手まで押し上げることはできたが、ポイント獲得には届かず、13位フィニッシュとなった。ポイントランキングではトップのマシンがリードをわずかに広げたが、#3 GT-Rは明日の決勝で逆転可能な2位につけている。

#3 ドライバー 星野一樹

「予選は、セッションの最後には乾くと思ってスリックタイヤで行きましたがミスチョイスでした。すぐにウェットタイヤに交換しましたが、温めるには時間が足りなかったです。決勝でもペースが上げられず、苦しい戦いでした。明日は今日とは違うトライをして、粘り強く頑張ります」

#3 ドライバー ヤン・マーデンボロー

「予選でも決勝でも、タイヤとコンディションが合わずに非常に苦しかったです。ただ、チャンピオンシップのライバルたちも苦労したみたいで思っていたよりも引き離されずに明日のレースに挑めます。気持ちを切り替えて明日も頑張ります」

NDDP RACING 長谷見昌弘監督

「今回の路面状況とタイヤとがうまく合いませんでしたね。チームとして、できることは全てやってレースに臨みました。決勝で履いたタイヤは、星野のスティントとヤンのスティントとでは違うものに変えてみたけれど、どちらも今日のコンディションとの相性はあまり良くなかった。トップとポイント差が開いてしまったのは残念ですが、なんとか明日は挽回したいです」

SUPER GT インフォメーション : Round 8