モータースポーツ

2016.05.04

Round 2 FUJI GT 500km RACE

GT500クラス 決勝

#1 MOTUL AUTECH GT-R、激闘の末にシーズン2勝目を挙げる

SUPER GT第2戦の決勝レースが5月4日に行われ、#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は予選4位から逆転で2連勝を果たした。

スタートドライバーはクインタレッリが担当。レース序盤は予選順位をキープしたまま周回が重ねられていったが、クインタレッリは3番手を走る#38 RC Fにじわじわと近づいていくと、15周目の最終コーナーで3番手にポジションアップした。かわされた#38 RC Fもストレートで加速し順位を取り戻しに来たが、クインタレッリはオーバーテイクポイントとなる1コーナーを巧みにブロック。17周目にふたたび#38 RC Fにとらえられ、4番手に順位を戻すことになった。しばらくはこの順位をキープしていた#1 GT-Rは、30周を過ぎた頃から上位陣がルーティーンのピット作業に入ったことで一つずつポジションを上げていき、38周を終了した時点でいったんトップへと上がり、40周目にピットイン。50.4秒の作業時間でメカニックたちは#1 GT-Rをコースへと送り出した。

クインタレッリから松田へとドライバー交代した#1 GT-Rは4番手で2スティント目をスタート。レースも後半に入り、66周を終了した時点で前を走る#38 RC Fとの差は約10秒、後ろを走る#39 RC Fとの差は約5.5秒あったが、72周目に#100 NSXがクラッシュしたことでセーフティカーが導入。前後との差が一気に詰まった状態で、78周目にレースがリスタートとなった。4番手でレース再開となった#1 GT-Rだが、リスタート直後に#38 RC Fがスローダウンしたことですぐに3番手にポジションアップすることに。さらに、セーフティカー導入中にピット作業を行ったため、#46 GT-Rもペナルティで順位を下げ、#1 GT-Rは2位へとポジションを上げ、トップを走る#12 GT-Rを追いかけた。

#1 GT-Rの2度目のピットインは81周を終えたところ。ここでチームは、ライバルよりも早い38.5秒でマシンをコースに送り出し、#12 GT-Rを逆転しトップに躍り出た。2台のGT-Rによるトップ争いは、互いにベストタイムを更新しながら展開。両者の差が1秒以内の息つく間もないバトルが続いていた。レースも終盤に入った96周目、#12 GT-Rが#1 GT-Rに大きく接近。コカコーラコーナーで逆転を許し、#1 GT-Rは2番手に後退した。再び1秒を切る差は続くものの、#1 GT-Rはこのまま2番手でレースを終えるかに思われたが、残り3周のところで、#12 GT-Rがタイヤトラブルによりマシンに大きなダメージを負ってコースアウト。これにより#1 GT-Rは再びトップに戻ってチェッカーを受け、開幕戦に続き2連勝を記録した。

#1 ドライバー 松田次生

「40㎏というウェイトハンディが、どこまで僕たちを苦しめるのか分からない状態での今回のレースでした。実際、昨日の予選では軽いクルマが速かったのですが、そのなかでもGT-Rのポテンシャルは高かったですね。前半のロニー選手のスティントでは、クルマの動きやタイムの推移をみると本当に苦しそうでしたが、そんな中でもスティントを長く引っ張ってくれたことが、セーフティカー明けのレース後半で勝負を握るカギだったのではと思います。12号車がああいう形で離脱してしまったことは、GT-R勢としてあまり喜べないことではありますが、こういったレースできっちりと勝てたことは、シーズンを通してみたときに僕たちにとって良かったことなのではと思っています」

#1 ドライバー ロニー・クインタレッリ

「40㎏のウェイトを抱えてのレースでしたが、第1スティントで走ってみると思っていたよりも厳しかったですね。クルマのバランスもあまり決まっていない中、タイヤマネージメントに気を配りながら走りました。ピットインのタイミングも、チームの判断は良かったです。次生のスティントはガソリン満タンで重かったのですごく大変だったと思うけど、いい走りをしてくれました。最終スティントは給油時間も短くできて軽い状態でしたから、プッシュできました」

ニスモ 鈴木豊監督

「終盤、こんな展開になるとは思いもよりませんでした。GT-R勢で考えれば1-2体勢でしたし、これを維持できるように、後ろからもじわじわ迫っているRC Fにも注意していたのですが…。12号車があのような形での優勝なので、複雑ではありますね。でも我々にとっては非常に大きな勝利です。次以降が本当に大変になってくるので、これから1戦1戦を大事に戦い、チャンピオンを獲りたいと思います。応援ありがとうございました」

GT300クラス 決勝

#3 B-MAX NDDP GT-R、予選5位から逆転でシーズン初優勝

予選5位の#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー)は、レース前半にトップへ浮上し、今シーズン初優勝を果たした。

スタートドライバーはマーデンボローが担当し、500㎞レースがスタートした。オープニングラップで1つポジションを上げた#3 GT-Rは、9周目にさらに1つポジションを上げ、表彰台圏内の3番手に。マーデンボローはその中でも2番手を走る#31 プリウスにじわじわと迫っていったが、レースの序盤は上位3台に順位変動なく周回が重ねられていった。29周を終えるところでトップを走っていた#55 BMW M6がピットイン。さらに翌周には#31 プリウスもピットに戻ったため、#3 GT-Rはトップに浮上。そして33周を終えたところで、1度目のピット作業へと入っていった。マーデンボローから星野へとドライバー交代した#3 GT-Rは、#55 BMW M6よりも短い作業時間でコースに復帰し、ピット作業での逆転に成功。上位陣の1度目のピット作業が終えた段階で、トップをキープした。#3 GT-Rと#55 BMW M6との差は、一時は1秒を切るところまで縮まったが、星野はじわじわとペースを上げ、この差を開いていった。

GT300上位陣の2度目のピット作業が近づいてきていた66周目、GT500のマシンがクラッシュしたことで、セーフティカーが導入された。レースが再開されたのは、GT300のトップ車両である#3 GT-Rが70周を終えたところ。#3 GT-Rはその後73周を終えて2度目のピット作業に入り、最終スティントはマーデンボローに託された。#3 GT-Rがコースに復帰した時点で2番手を走っていたのは#25 86 MCだったが、ハイペースで差を縮めて来ていた#55 BMW M6がこれをかわして2番手浮上。さらに、12秒先を行く#3 GT-Rに迫ってきた。#55 BMW M6は1周につき1秒近く差を削ってきたが、マーデンボローもトップチェッカーを受けるべくペースをコントロール。2台の差は最終的には3.5秒にまで縮まったが、これ以上の接近は許さず、#3 GT-Rがトップチェッカーを受け、今シーズン初優勝となった。

#3 ドライバー 星野一樹

「今年、ヤンという素晴らしいパートナーを迎え、新体制でシリーズに臨みました。岡山ではとても残念な結果になりましたし、また、個人的には去年のこの富士のレースが勝てそうなレースで勝てなかった。そこも非常に悔しい思いをしていたので、今日は絶対に勝ちたいと思っていました。チームの皆で、絶対にここで勝とう、と話し合って富士に入りましたが、それが実現できたのはチームのおかげだし、ヤンのおかげだし、素晴らしいタイヤを用意してくれたヨコハマタイヤさんのおかげです。応援ありがとうございました」

#3 ドライバー ヤン・マーデンボロー

「SUPER GT参戦2戦目で、このような結果を出せて最高の気分です。開幕前のテストではいい結果を出していましたから、レースでもいい結果を出せるのではと期待していました。僕とカズキ、2人ともがミスなくいいレースができて本当に嬉しいです。カズキには感謝の気持ちでいっぱいですね。今日は気温も路面温度も高く、僕たちがチョイスしたタイヤにコンディションが合っていたのだと思うのですが、ずっと安定したペースで走ることができました。次に予定されていたオートポリスラウンドが中止になったことは残念ですが、その次に待っているSUGOは走ったことがないので、とても楽しみにしています。カズキにたくさん質問して、心と体の準備を進めていきたいと思います」

NDDP RACING 長谷見昌弘監督

「追いかけてくる55号車が、今回のレースでは、ある周回数を超えるとペースが下がってくることが1スティント目で分かっていました。だから、ヤンも終盤は余裕があったのかなと思いますが、それでも最後の1周までレースは何があるかわかりませんからね。少しでも失敗したら、この結果にはつながらなかった。気の抜けない500㎞でしたが、ドライバーもミスなく最後まで走り切ってくれて、本当に良かったです」

SUPER GT インフォメーション : Round 2