15回目のイベントは今年も好天に恵まれた
恒例のファン感謝イベントも今年で15回目の開催。今年も熱狂的なファンが前夜から車中泊り込みでゲートに行列を作った。そしてまだ真っ暗な朝5時にゲートがオープンすると、次々に吸い込まれるように駐車場へ移動を開始。もちろんそのほとんどが日産車であり、思い思いにカスタムチューンを施した車両の姿も。また地元静岡、神奈川、東京以外の他県ナンバーの車両も続々とやってくる。やがて6時近くなると徐々に東の空が白み始め、赤富士が青黒い空に浮かび上がった。6時を回り朝日が顔を出すと昨年同様真っ青な空に雪を頂いた富士山が美しい姿を現した。


早朝からグランドスタンド下は大賑わい
朝7時にオープンするSTAND EVENT AREAの「NISSAN/NISMO collectionコーナー」、「限定MODEL CARコーナー」、「ガレージセールコーナー」、「NISSAN collection MODEL CARコーナー」には限定グッズやお宝商品を求めて早朝から長い行列ができた。なかには8時を回った時点で販売完了した人気商品も! またSTAND EVENT AREAには日産の最新モデルを展示する「NISSAN タッチ&ライドコーナー」、NISSAN GT-R 2012年モデルを展示する「World of GT-Rコーナー」、バッテリーカー&ペダルカーで遊べる「キッズパークコーナー」、「KTCキッズカート体験コーナー」、大森ファクトリーの車両や商品を展示しエンジン分解デモンストレーションも行われる「Omori Factoryワールド」もあり、飽きることがない。


ドライバーに近く寄れるステージエリア
9時、ステージエリアに今日のイベントに参加するドライバー、監督全員がそろい「今日は一日イベントを大いに楽しみましょう!」と「オープニング」セレモニーが始まった。ステージ前に集まった大勢のファンも笑顔で彼らを出迎え、スペシャルな熱い一日がスタートした。その後ステージエリアでは、トークショーとチャリティオークションの「SUPER GTステージ」、トークショースタイルの「レジェンドドライバーステージ」や「GTチームチャリティオークション」などが行われ、普段はなかなか聞けない裏ネタやこぼれ話で終始なごやかムードに。またステージ脇には全日本F3 Nクラスチャンピオンカーやトロフィーの展示も行われた。


パドックではお宝探しで大賑わい
ピット裏側のPADDOCK EVENT AREAは8時にオープン。と同時に大勢のファンがなだれ込んだ。さまざまなパーツやグッズを販売する出展社コーナーは、お宝グッズや掘り出し物を探す熱心なファンの熱気で一気にあふれかえった。また出展社コーナー東側にはサニーやハコスカGT-Rといったヒストリックカーがずらりと勢ぞろい。近くにはフードコートもあり、散策の合間に一息入れるファミリーの姿も見られた。またピットビル2階には「スロットカーコーナー」が初めて設置され、ドライバーや監督を集めてのバトルも開催され人気を呼んだ。


憧れの名車に近くまで寄れるピット
ピットガレージは車両展示のコーナーでもある。FIA GT1世界選手権でチャンピオンを獲得したNISSAN GT-R、EVレーシングカーであるNISSAN LEAF NISMO RC、日産のスポーツカーの原点であるR380シリーズはもちろん、走行時間以外のレーシングカーが間近で見られた。さらに「エキサイティングコーナー」はピットにせり出した迫力満点のスペースで人気高し! また「キッズライド」、タイヤ&ホイールを交換する恒例の「ピットワークシミュレーション」、エンジン始動が体験できる「ドライバー模擬体験」といった体験イベントコーナーも大勢のファンで賑わった。今年はピットビル3Fの屋上スペースにも市販車、レースカー問わず歴代のスカイラインGT-Rが展示され、大勢のファンが詰め掛けた。


エンジン始動と同時に一気にヒートアップ
9時30分、グランドスタンド下やパドックにいたファンがコースサイドへ走り出した。RACING EVENT AREAでレーシングカーが一気にコースインしたからだ! 「レーシングカー同乗走行/サーキットサファリ/サーキットタクシー」が同時に開催されるため、1周4.563kmのレーシングコースはレーシングカー、サーキットタクシーに使用される市販車、さらに観光バスが併走することとなった。普段レーシングカーが走行するコースを別の角度から楽しみ、またレーシングカーの迫力に驚くという特別な時間だ。またこの時間、ショートサーキットではNISSAN LEAF NISMO RCが、モーター音とタイヤのスキール音を響かせながらデモ走行を行った。


最新鋭の車両がコースでバトル
10時半、7台のNISSAN GT-Rがグリッドに着いた。これはサーキット走行専用モデル「NISSAN GT-R Club Track edition」による参加型モータースポーツで、「NISSAN GT-R Racing School」メンバーにプロドライバーが加わって6周のバトルを演じた。この後、Z33/Z34によるユーザー参加型モータースポーツの「Z-Challenge」のエキシビションマッチには、29台ものZが出走し5周のレースを展開した。今年はオートマチック車両によるクラスも新設されより気軽に参加しやすいイベントとなった。なお「NISSAN GT-R Club Track edition エキシビションレース」は星野敏、「Z-Challenge」はたじま〜るが優勝を遂げた。


TSサニー、ハコスカGT-Rが唸る
お昼に行われたのは、ハコスカGT-R、ブルーバード、サニーといった60〜70年代にサーキットを駆け回った往年のツーリングカーによる「NISSAN ヒストリックカー エキシビションレース」。30台が出走して7周で争われたが、日産座間記念庫で大切に保管されているサニー1400クーペの姿も。このドライバーは都平健二で「甲高いサウンドを楽しみます」とコメント。レースは最後のストレートで雨宮栄城サニーに追いついた影山正美サニーが逆転して僅差で優勝。オールドファンは懐かしく、若いファンには新鮮なレースだった。


脈々と受け継がれた日産のDNA
1958年の豪州ラリーで優勝したDATSUN富士号&桜号、NISSAN R381、バイオレットGT、240RS、そしてリーボックスカイライン、カルソニックスカイライン、世界を舞台に戦ったZEXEL SKYLINE GT-R、NISSAN R390 GT1&R391といった歴代日産のレーシングカーがパレードする「NISSAN RACING DNA RUN」は日産モータースポーツの歴史を彩ってきた車両が時代を超えて一同に会すイベント。ここへこれから歴史を作っていくであろう最新のEVレーシングカーであるNISSAN LEAF NISMO RCが2台登場。ドライバーは開発担当の松田次生と本日初乗車となった近藤真彦監督だ。ドライブを担当した往年のドライバーと共に場内インタビューに答え、大勢のファンに歴史と将来を語ってくれた。


レーシングコースのボルテージ上がる
14時前には17台のGT、S耐マシンがグリッドに整列。ここで50分間のグリッドウォークが行われ、ファンは思い思いにドライバーや車両、レースクイーンとの記念写真撮影を楽しんだ。グリッドウォークが終了すると11周にわたる「GT-R&Zオールスターバトル」がスタート。SUPER GTのGT500車両はピットでのタイヤ交換時間も争われた。ここでストレートスピードと迫力のエキゾーストサウンドでファンを魅了したのはワールドチャンピオン、ミハエル・クルムのFIA GT1マシンで逃げ切り優勝。またGT500では本山哲と松田次生がサイドbyサイドのバトルを演じたり、GT300では星野一樹とJPオリベイラが抜きつ抜かれつのレースを演じてスタンドを沸かせた。またS耐マシンでも初めてZをドライブする小松一臣、関口雄飛が参加してバトルをエンジョイした。なおピットワークバトルは16.67秒で一番早く終わらせたニスモが優勝した。


フェスティバルは2013年にアップグレード!
そしてイベントに参加した30台近い車両がグランドスタンド下に勢ぞろいしてフィナーレが始まった。今年の全日本F3 Nクラスチャンピオンの千代勝正、FIA GT1チャンピオンのミハエル・クルム、SUPER GT GT500クラスチャンピオンの柳田真孝、ロニー・クインタレッリ、大駅俊臣監督へそれぞれ花束が贈呈され、ファンに応援のお礼のコメント。さらにレジェンドドライバーが紹介され、最後に宮谷正一社長があいさつを行った。2012年12月の大森から鶴見(日産横浜工場内)への移転を伝え「フェスティバルは来年1年お休みします」との発言にスタンドがどよめいたが、「2013年にはアップグレードした形で戻ってきたい」とコメントすると大きな拍手が沸き起こった。最後は日産コールのなか、ドライバーがプレゼントを投げ入れ手を振りながら1年間の応援に感謝して終了となった。

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