Wednesday January 1st 2003
STAGE 1: MARSEILLE - NARBONNE
Prologue: 1 km - Liaison: 264 km - Total: 265 km
篠塚建次郎、初日をトップで駆け抜ける〜プロローグラン
【マルセイユ(フランス)1月1日】

「テレフォニカ・ダカール2003」は、日産ピックアップに乗る日本のベテラン、篠塚建次郎が、元旦のプロローグランでトップタイムをマーク。03年パリダカで幸先の良いスタートを切った。

1日マルセイユでのプロローグランは、このラリー最初のSS(Special Stage:競走区間=2日・ナルボンヌ)のスタート順位を決めるもの。日産の篠塚建次郎(日産ピックアップ)は、1kmの特設コースを1分43秒73で走り、三菱のステファン・ペテランセル(フランス)を0.36秒引き離すトップタイム。

3位は増岡浩(三菱)、4位はミキ・ビアシオン(イタリア、三菱)であった。注目のフォルクスワーゲン・デザート・ナルド(バギー)はステファン・エンラール(ベルギー)が5位、ユタ・クラインシュミット(ドイツ)は12位。ジャンルイ・シュレッサー(フランス、シュレッサー・フォード)は8位だった。

トヨタ・ランドクルーザーでT1クラスに出場している日本の浅賀敏則は43位、片山右京は50位。バイクの三橋淳(ホンダ)は21位だった。

出走は343台(バイク・162台、4輪・130台、トラック51台)でフランスからスペイン、チュニジア、リビアを経由。エジプトのシャルムエルシェイクまで19日間、8604km(うちSS16カ所、5259km)を走り、19日にゴールする。

「新しい出発―。」スタート台の上で、日本語でのインタビューで、篠塚はこの言葉を繰り返した。それは“勝つ”と言うことではなく、自らの可能性を追求するために、自分を叱咤する意味合いもあった。

プロローグランは2台並んでのスタート。横に並んだ相手は増岡浩。三菱時代の後輩ドライバーだ。

「一発かまします」と増岡は直前に親しい人に話した。篠塚は「どうしようかな。車は壊したくないし、でもあまりトロトロ走りたくもないし…」と苦笑しながら話していた。日本の関係者は“同門育ち”の対決に固唾をのんだ。ヨーロッパの人々も、ともに三菱で優勝経験を持つトップドライバーが一緒に走ることに限りない興味を持っていた。

グリーンライトが点灯し、旗が振られた。日産ピックアップが一気に飛び出す。尖ったようなギャップが進行方向を横切る。水濠がある。大きく跳ねるジャンプもある。まだ作り上げられて、1ヶ月にもならない日産ピックアップだが、パリダカに詳しい人たちが驚く勢いで、大きく飛び上がり、キチンと着地して増岡車を引き離していった。

「増岡がどう出てくるか、見ながら走りました。来ないけれど自分なりに、車の挙動を確かめながら走りました。こういうコースは好きなんですよ。ジャンプの前にしっかりとブレーキを踏み、アクセル一杯にして飛ぶ。そうするとフロントから落ちることもないんです」と悠々とリードを奪ってゴールした篠塚は、満面の笑みだ。

午後、コースの下見をする篠塚に出会った。バイクのモトクロスに打ってつけのコースは、4輪には厳しい。ゆっくりと歩きながら、路面を確かめ、コーナーを確認し、たっぷりと時間をかけた。そのとき後輩で今やライバルの増岡について聞いた。篠塚が言ったのはこうだった。

「同じチームにいるときには“意識した”ライバルでした。でも、今は大勢が相手。速い人は沢山います。増岡もその1人に過ぎません」

緊張が誰にも分かる増岡の表情と見比べると、この日に限っては篠塚のリラックスと慎重な下調べが、トップタイムを生み出したと言えそうだ。

アリ・バタネン(フィンランド)は、帰ってきたチャンピオンだ。さてどうか―。80年代の後半から90年代にかけて“砂漠のライオン”と言われた男は、やはりそれなりの走りをした。現在は、EU議会の議員。現役ドライバーとはほど遠い職種だが、「ただ、パンダ役をするつもりはない」の言葉通り、10番手のタイム。パリダカの常連シュレッサーやヨセップマリア・セルビア(スペイン、シュレッサー・フォード・レイド)のすぐ後だ。

「こんなに多くの人が応援してくれて感激している。車は出来たばかりだけれど、しっかり乗るつもりだ。楽しみにしてください」と、こちらが拍子抜けするような自然体だった。南アフリカの若手ドライバー、ジニール・ドゥビリエ(11位)を従えて、これまた鮮やかな復活だった。

ドゥビリエは、「緊張しています。僕にとって初めてのダカール、ビッグレースです。完走したいです」 ベテラン2人と新人。日産ピックアップのトリオにとって、これからの展開に限りない興味を持たせるプロローグであった。


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