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2006 ダカールラリー
三橋淳が惜しくもリタイア

12月31日にポルトガルのリスボンをスタートした第28 回ダカールラリー(正式名称:ユーロミルホー・ダカール2006、通称パリダカ)に参戦していた三橋淳は、大会8 日目の1 月7 日のステージ(LEG 8)で横転し、残念ながらリタイアとなった。

三橋は、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社(以下ニスモ)が実施している「若手ドライバー育成プログラム」に参加しており、本プログラムの集大成として、今大会に出場していた。車両は、スーパープロダクション仕様の日産ピックアップで、昨年度の総合11 位を上回る成績を目指していた。

ラリースタート当初は、総合18 位と、並み居るワークス勢に続くまずまずの順位を走行。一行がアフリカ大陸に入った初日のモロッコでは、枯れ川底を渡る際のプロペラシャフト破損や駆動系トラブルで、順位を総合156 位まで下げてしまったこともあった。しかし、その後の三橋の粘りの走りは素晴らしく、LEG 7ではスペシャルステージ(SS)12 位、総合でも31 位まで回復し、今後の追い上げが期待されていたところであった。

モーリタニア国内のアタールからヌアクショットに至るLEG8 のルートは、全長588km。そのうち508km がスペシャルステージ(SS)となった。総合31 位でスタートした三橋は、200km 地点で横転。なんとか車体を起こしてステージを走破したが、マシンはロールケージが変形しており、競技続行が不能と判断された。

三橋とコ・ドライバーのジャッキー・デュボワは無事であった。


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三橋 淳 コメント
「昨日までは本当に好調だったので、こうなってしまったのがとても悔しいです。まずビバークをスタートしてすぐあとのリエゾン区間からブレーキが調子悪く、ステージに入ったらもうノーブレーキ状態でした。自分達で応急修理をしたのですが、直りませんでした。なので、序盤の渓谷地帯は相当ペースを抑えて走りました。その後ギャップが続く固い路面のコースも慎重に走っていたのですが、最後に大きなギャップを見落とし、そこに突っ込んで横転してしまいました。時速70〜80km 位のスピードでした。このためロールケージが曲がってしまいました。どれ位そこに止まっていたでしょうか。車体を起こしゆっくり走行してヌアクショットのビバークに到着したのはもう夜です。ビバークでロールケージを修理することはレギュレーションで許されず、その後のステージを曲がったままで走るのは危険なのでリタイアです。モーリタニアに入って調子が良く、ダカールラリーの後半に向けて良いリズムがつかめていただけに残念です。サポートしていただいた皆さん、応援してくれている多くの方々に申し訳ないです。ごめんなさい」

渡邉 衡三 ニスモ技術顧問コメント
「三橋選手のマシンにはブレーキトラブルがあり、彼はそれに集中しながらマシンを操っていたのでしょう。ギャップに突入し、マシンが受けたダメージは激しく、残念ですがリタイアは仕方ないことだと思います。マシンは、ナビゲーターサイドのロールケージが変形しており、燃料タンクも損傷していましたので、修復不可能でしょう。左側のドアも落とし、フロントのウィンドスクリーンもなくしていました。詳しい状況は、ラリーが終了してからチームマネージャーであるアンドレ・ドスードの意見などを総合するまではっきりしないところもありますが、ともあれ残念の一言です。ダカールにゴールしてもらいたかったですし、また、砂の得意な三橋選手が残りのモーリタニアステージでどんな走りを見せてくれるかと楽しみにしていました。そして何よりも三橋選手にとっても残念なことだと思います」

三橋は1月9日にパリに戻り、その後日本に帰国の予定。