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News 2005
三橋は22位完走
イタリアンバハ


FIAクロスカントリーラリーの1戦、「イタリアンバハ」に出場した三橋淳は、3日間の競技を終え、総合22位で完走した。

三橋はプロローグ(SS1)で2位のタイムを出し、幸先のいいスタートを切った。2日目は同じコースを3周(1周につき2つのSS)する設定であったが、1周目の1つ目のSS(SS2)はキャンセル。三橋の駆る03年仕様の日産ピックアップは、SS3の手前で、パワステポンプのプーリーが焼きつき、パワステが効かなくなるというトラブルに見舞われてしまった。そのため、プーリーを交換することになり、SS3を走り切ることが出来なかった。幸いにも、ペナルティを受けたが、競技は継続することになった。

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2周目は車の挙動を見ようと、三橋は全開でコーナーを回ったり、いろいろなドライビングを試みた。しかし、コドライバーのジャン・マリー・ルルカンから、「車を壊しては何もならない」と叱責を受けることになってしまった。三橋の日産ピックアップはかなり後方からのスタートであり、前を行く車両の埃で視界が悪く、さらに道幅の狭いコースで、コースオフすると崖から落ちるという状況であったため、SS4はトップから2分56秒差の55分53秒で18位。次のSS5はかなりの頑張りを見せ、トップと1分22秒差の32分26秒で6位をもぎ取った。

続く3周目では、ルルカンの指示通り着実な走りを見せた三橋は、スムーズに車を操り、先生役のルルカンからもほめられるほどであった。SS6の結果は55秒39(8位)で、14秒のタイムアップだ。しかし、4速が抜けてしまったため、走りにくい状況に。SS7がキャンセルになったこともあり、三橋は何とか車をゴールまで運び、この日のステージを終えた。

翌19日は、18日と同じコースを1周してゴールとなる。前日からの4速ギアのトラブルが悪化し、さらに、アクセルの戻りが悪くなるなど、トラブルが増えていったが、ルルカンは三橋に「車をフィニッシュまで運ぶこと」を課題として与え、三橋はその通り、着実にピックアップをフィニッシュラインまで運ぶことに成功した。順位は22位であった。優勝は、日産ピックアップのルイ・スーザ/カルロス・シルバだった。

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ゴール後、ルルカンは三橋について「最初はかなり緊張しているようだったが、2日目の2周目からは、アドバイスに耳を傾けるようになった。もう少し練習が必要だが、ポテンシャルは高い」と評価した。

また、同行しているニスモの渡邉常務は「4回周回する中でのタイムの推移を見て評価するつもりでしたが、SSのキャンセル、メカニカルトラブルなどでそれは不可能になってしまいました。2日目、3日目と車に慣れてきましたし、冷静に運転していたように見えました。今回の参戦は、車に慣れることが目的でしたから、当初の目的は達成できたと言えます。さらにこれからいろいろやらなければなりませんが、その方向性がつかめました。トラブルはありましたが、完走したので、及第点ですね」