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News 2004
日本人若手ダカールドライバー、サーキットレースに出場
 日産/ニスモのダカールラリー、日本人若手ドライバー育成プログラム活動に参加している池町佳生と三橋淳は、10月2日(土)、山口県のMINEサーキットで行われたマーチカップWEST JAPANシリーズ第5戦(最終戦)に出場した。9月のパリ24時間レースに続く今回の実戦トレーニングは、運転技術と同時にサーキットレースという未知のカテゴリーに参加することを通じて、適応能力や集中力を高めるのが目的。2人はすでに3回受講した日産レーシングスクールを通じてマーチでのサーキット走行には相応に習熟しているが、池町選手にとってはMINEを走るのは前日行われた練習走行が初めて。4輪サーキットレースは池町選手がライセンス取得時以来の2回目、三橋選手は全く初めてという状況で、練習走行ではデータロガーを基に指導を受けながら意欲的に走りこみを行っていた。

 2日の天候は曇り。気温17度と秋を感じさせた。9時50分からの公式予選は未明の降雨の影響でコースは濡れている箇所があったが、23台の参加車両の周回によりコンディションは好転。タイヤも温まりにくいが、15分間と時間も短いため、3周目あたりから各車のタイムアップで順位がめまぐるしく入れ替わる混戦模様となった。 結果は、練習日から走り方の特性によりABSがエラーを感知してしまうトラブルに見舞われた三橋選手が16番手、池町選手はベストラップで痛恨のシフトミスもあって17番手を獲得。それぞれポールポジションから3.414秒、3.457秒差という結果だった。

 続いて10周の決勝レースは午後1時28分にスタート。三橋選手はまずまずのスタートを切って先行車に並びかけながら1コーナーに進入する一方、池町選手は出遅れて2台に先行される。しかし、三橋選手は中団グループに埋もれる格好で前に出られず、4周目に入ってペースダウン。これで池町選手が追いつく。必死にポジションを守る三橋選手だが7周目の1コーナーでついに池町選手が逆転に成功し、結局そのままの順位でチェッカー。結果は、完走21台中池町選手が14位、三橋選手が15位だった。

 レースを終えた2人は、「スタートは勝手が分からず出遅れてしまいました。結果はまずまず…でしょうか。とても緊張しました。レースは毎周同じコースを走るのでラリーとは大きく違いますが、毎周同じ操作を確実に行うことなど、大変勉強になりました」(池町)、「全くの初レースでしたがものすごく面白かったし、トレーニングとしてためになることは多かった」(三橋)と異口同音に成果を強調。育成プログラムの責任者として帯同したニスモ渡邉常務は、「今回は日産レーシングスクール受講の仕上げとして出場してもらいました。相応の結果が得られたと思う。今後もシャムロックラリーへの参戦やメンタル面、精神面のトレーニングを経てダカールラリー本戦に臨んでもらう計画です」と締めくくった。

 ふたりは今後、日本国内で自主トレーニングを行い、10月末にはモロッコに渡航。シャムローックラリーに出場した後、専任講師であるジェローム・リビエール(フランス)の指導のもと、ふたたび砂漠での集中トレーニングを行う予定。