SUPER TAIKYU 2007
Round 3 第14回十勝24時間レース 2007.07.14 sat. - 16 mon.
難しいコンディションの変化にもノントラブル
#3「エンドレスアドバンZ」がST1クラスで3連勝

#113「カルラレーシング☆ings北海Z」はST3クラスで3戦連続2位
ST1クラス 出走6台
#3「エンドレスアドバンZ」(影山正美/青木孝行/藤井誠暢)クラス優勝
#23「CAR-CHANNEL アドバンZ33」(田中哲也/星野一樹/山田英二)リタイア
ST3クラス 出走10台
#113「カルラレーシング☆ings北海Z」(大井貴之/伊橋勲/松田次生)クラス2位
#74「アラビアンオアシスZ」(小林敬一/安田裕信/菅原修一/本山哲)クラス4位
#333「H.I.S-Z」(前嶋秀司/イゴール・スシュコ/山崎学/杉野甫)クラス5位
#41「SABOTAGE Z」(塩渕誠二/加納雅樹/牧田克哉/脇阪薫一)クラス6位
#15「岡部自動車 eei A ディクセルZ」(長島正明/古谷直広/杉林健一/小松一臣)リタイア

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S耐第3戦はぐずついた天候となった十勝インターナショナルスピードウェイで、シリーズ最長の24時間レースとして行われ、ST1クラスで#3 Zが3連勝を飾った。またST3クラスでは#113 Zが3戦連続の2位で表彰台を獲得した。

今年の十勝24時間にはヨーロッパから3台の車両が初参戦。またハイブリッドGTカーやバイオ燃料を使用する車両も参戦して注目を集めた。参加台数は計36台で、Zが参戦するST1クラスには2台のZ(380RS-C)を含み6台、ST3クラスには6台のZを含み10台が参加した。また、長時間のレースのため、各チームは“助っ人ドライバー”を追加。#113 Zは松田次生、#74 Zは本山哲、#41 Zは脇阪薫一とGTドライバーを起用した。
今年も予選は実施されず、第2戦までのシリーズポイントでグリッドを決定。GTクラスの車両が1台参加したために、ポイントリーダーの#3 Zは2番、#23 Zは4番グリッドスタートとなった。ST2クラスを挟みST3クラスのポイントリーダー#113 Zが14番、#74 Zが15番、#15 Zが16番、#41 Zが19番、#333 Zが20番グリッドとなった。

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十勝地方はレースウィークに入ってから曇天が続き、気温が10℃台から上がらず4〜5月並みの気候となった。決勝レースがスタートする15日も朝から曇天で、車両がスターティンググリッドに並んだころからスタート直後まで弱い霧雨となった。15時丁度に24時間レースがスタート。気温は16℃、路面温度は20℃と肌寒い。路面がうっすらと濡れた序盤、#3 Zの青木がオープニングラップで総合トップに立ちS耐ファンを沸かせたが、すぐにGTに逆転を許して#23 Zの田中とランデブー走行を続けた。しかし#50 BMW Z4がこれに追いつき、追い越してクラストップに立ったが、燃料系のトラブルでコース上にストップ。これで再び#3 Zがクラストップに躍り出た。このころからまた弱い霧雨となり、翌朝まで断続的に降ることになった。

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レース開始3時間半ごろに#23 Zがピットガレージに。センサーの交換のために時間を要してポジションを落とした。またウェットコンディションで、ABSを装着し十勝を得意とするポルシェのペースに#3 Zはついて行くことができず、#1ポルシェ、さらには#8ポルシェに先行を許すこととなった。レースの折り返し点となる夜中の3時の時点で、#3 Zは2台のポルシェから2周遅れのクラス3位、そして#23 Zは28周遅れの5位を走行していた。早朝の5時前、#23 Zの星野が雨とオイルで濡れた路面で滑り1コーナー先でコースアウト、クラッシュ。車両はフロントを大破したもののピットに戻り、おおがかりな修復作業に入ることになった。早朝に雨は止み、路面は徐々に乾いてきた。
朝の8時半を回ったころ、クラストップを走行中の#1ポルシェがブレーキトラブルでスローダウン。ピットでブレーキローターを交換するが、この間に#8ポルシェがトップ、#3 Zが2位に繰り上がった。雲が切れ、晴れ間がのぞいてきた10時過ぎ、ピットインを控えた#3 Zの青木がバックストレートエンドでコースアウトしたが事なきを得た。2周先行するトップの#8ポルシェは、クラッチとミッションにトラブルを抱えておりペースが上がらない状態。11時過ぎに#8ポルシェがピットインすると、#3 Zの影山がトップに返り咲きその差を広げていった。

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ゴールまで残り3時間、お昼前には再び日がかげり曇天に。#3 Zがピットインした間に#8ポルシェに逆転されるも、#3 Zに乗り込んだ藤井がその差を1周につき2〜4秒と詰めていき、30秒以上あった差を7秒までに縮めたところで#8ポルシェがピットイン。これで難なく#3 Zがトップに戻った。レースも残り1時間半の時点で、#3 Zが最後のピットインをして青木に交代。またもや#8ポルシェに先行されるが、ポルシェにはまだ最後の給油が必要だった。残り1時間の時点で#8ポルシェが最後のピットイン。その後、青木は無理をせずマシンを労わりながら走行を続けチェッカー。十勝24時間においてZが初めてS耐のトップチェッカーを受け、開幕戦からの連勝を3に伸ばした。

なお、チームスタッフの懸命の作業によりコース復帰を果たし、チェッカーを受け完走を狙った#23 Zだったが、何とチェッカー30分前にメインドライブシャフトの破損でコース脇でストップ。リペアエリアへ牽引されて復旧を狙ったがタイムオーバー、残念ながらリタイアとなってしまった。

いっぽうST3クラスでは、序盤から#74 Z、#41 Z、そして#113 Zと3台のZが同一周回でバトルを繰り広げた。ここに割って入ってきたのが#27 BMW M3と開幕戦優勝の#15Zだった。しかし#15 Zは杉林がスピンを喫したところへ他車両に追突されるなどしてリアを大破。レース6時間を待たずにリタイアを喫することになった。
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その後は#74 Z、#41 Z、#113 Z、#27 BMWのバトルに。しかし日付の変わろうとする前に、#74 Zの安田は他車両に当てられてたまらずコースアウト、クラッシュ。これで左リアのロワアームバーが曲がりその修復のためにポジションダウンを余儀なくされた。いっぽう日付が変わる前からクラストップに躍り出た#113 Zは、大井が2スティント、伊橋が1スティント、そして松田が2スティントというローテーションで順調に走行していた。これを追いかけていた#41 Zの牧田が、早朝にテクニカルセクションで単独スピン、クラッシュ。車両の修復に時間を要して大きくポジションを下げてしまった。
朝の9時過ぎ、#113 Zは#27 BMWにかわされ2位へ。原因不明のエンジントラブルでペースが鈍っていたのだ。ピットインの際にフレッシュタイヤを得てペースアップを図りトップにプレッシャーを与えようとしたがタイムが縮まらず、そのままのポジションをキープして3戦連続のクラス2位でゴールとなった。#74 Zは4位、#333 Zはデフなどにトラブルを抱えたものの5位でフィニッシュ、#41 Zは6位だった。



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青木孝行  #3「エンドレスアドバンZ」
(ST1クラス優勝)

「レース前からペース的に勝つのは難しいと思っていましたが、ライバルのトラブルにも助けてもらいました。うちはノントラブルで行けたので、その差が優勝という結果につながったのだと思います。今回のレースでライバル勢、特にZ4の速さが証明されたので、シリーズ後半は不気味ですね。ボーナスポイントのつく十勝で勝ったのは大きいので、この勢いを崩さないで必ずチャンピオンを獲れるよう、後半戦を頑張りたいです。トラブルが出ないように送り出してくれたチームに感謝です!」

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大井貴之  #113「カルラレーシング☆ings北海Z」 
(ST3クラス2位)

「データロガーに出ないような原因不明の微妙なエンジン不調が出ていて、ペースを上げることができなかった。朝のセーフティカー(火災車両を排除)のときに30秒ぐらいロスしたことも響いたかもしれませんね。フォーミュラ・ニッポンの2位男(松田)、カレラカップの2位男(伊橋)で2位は仕方ないかも(笑)。でもランキングはトップ! 松田という助っ人がいい仕事をしてくれました」
RACE RESULT
Rd. 3 TOKACHI INTERNATIONAL SPEEDWAY
決勝正式結果「ST1クラス」
Cls
Pos
Pos Car
No.
Machine Laps Time A Driver Laps
B Driver
C Driver
D Driver
1 2 3 エンドレスアドバン Z
(日産FAIRLADY Z / Z33)
597 24:03'49.773 影山 正美 164
青木 孝行 233
藤井 誠暢 200
   
2 3 8 黒豆リボイス GT3
(PORSCHE 911GT3 / JGN)
596 24:02'05.969 清水 康弘 64
竹内 浩典 149
土屋 武士 244
澤 圭太 139
3 4 1 euroMEVIUS MACAU ADVAN PORSCHE
(PORSCHE 911 GT3)
593 24:02'26.496 山野 直也 152
ヘンリー・ホー 100
谷口 信輝 140
織戸 学 201
4 11 50 PETRONAS SYNTIUM
(BMW Z4M COUPE)
560 24:03'07.536 柳田 真孝 139
ファリク・ハイルマン 30
ハンス・シュトック 151
ヨハネス・シュトック 148
5 30 17 キーパー&KOSEI★ADVAN GT3
(PORSCHE 911 GT3 / JGN)
444 24:02'29.206 松永 まさひろ 148
三沢 伸輔 74
田中 篤 69
福田 良 153
6 32 23 CAR-CHANNEL アドバンZ33
(日産FAIRLADY Z / Z33)
439 23:24'41.746 田中 哲也 158
星野 一樹 152
山田 英二 129
   
決勝正式結果「ST3クラス」
Cls
Pos
Pos Car
No.
Machine Laps Time A Driver Laps
B Driver
C Driver
D Driver
1 6 27 FINA ADVAN BMW M3
(BMW M3 / BL32)
574 24:02'48.674 長島 正興 224
村田 信博 104
小林 且雄 193
近藤 真彦 53
2 7 113 カルラレーシング☆ings北海Z
(日産FAIRLADY Z / Z33)
572 24:02'53.476 大井 貴之 232
伊橋 勲 161
松田 次生 179
   
3 8 7 アメニティホーム・エクセディRX-7
(MAZDA RX-7 / FD3S)
564 24:03'46.399 井入 宏之 191
赤鮫 オヤジ 36
佐々木 孝太 221
入口 秀輝 116
4 9 74 アラビアンオアシスZ
(日産FAIRLADY Z / Z33)
560 24:01'37.973 小林 敬一 109
安田 裕信 173
菅原 修一 108
本山 哲 170
5 15 333 H.I.S.-Z
(日産FAIRLADY Z / Z33)
547 24:03'18.463 前嶋 秀司 117
イゴール・スシュコ 187
山崎 学 149
杉浦 甫 94
6 16 41 SABOTAGE Z
(日産FAIRLADY Z / Z33)
545 24:02'53.865 塩渕 誠二 139
加納 政樹 156
牧田 克哉 122
脇阪 薫一 128
10 35 15 岡部自動車 eei AディクセルZ
(日産FAIRLADY Z / Z33)
135 5:31'17.260 長島 正明 39
古谷 直広 44
杉林 健一 52
小松 一臣 0
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フェアレディZ Version NISMO Type 380RS-Competition