Report
Race Report
Round 2 OKAYAMA GT 300km RACE
GT500 class 決勝 RACE RESULT
「カルソニック インパル Z」がポールトゥウィンで完全勝利
「MOTUL AUTECH Z」も2位でZが1-2フィニッシュを飾る
Copyright © NISMO 
8月20日(日)に三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキット(1周5.807km)でSUPER GT第6戦「35th International POKKA 1000km Race」(通称 : 鈴鹿1000km)決勝レースが開催され、ポールポジションスタートの「カルソニック インパルZ」(#12 ブノワ・トレルイエ/星野一樹/ジェレミー・デュフォア組)が6時間強、173周の長距離レースながら一度も首位を譲ることなく完全勝利をおさめた。レース中のファステストラップも同車が記録。また、予選10位からスタートした「MOTUL AUTECH Z」(#22 ミハエル・クルム/リチャード・ライアン/ファビオ・カルボーン組)が80kgのハンディウェイトにもかかわらず果敢なレースを展開し、2位表彰台を獲得した。この日の天候は快晴で、午後1時5分のスタート時の気温は30度、路面温度は55度。観客数は、3万5000人であった。

ポールシッターの#12 Zが、スタート直後から2位以降を引き離す圧倒的な速さを見せた。スタートドライバーのトレルイエは、周回毎にその差を広げ、30周目にピットインしてこのレースの第3ドライバーとして登録したデュフォアに交代した。デュフォワもトレルイエに劣らぬ力強い走りで他を圧倒。その後星野にドライバー交代し、再びトレルイエにステアリングを戻すまで一度もミスを犯さず完璧なレースを展開した。
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その後、再びデュフォアがドライブを担当して、最後はトレルイエにマシンを戻し、フィニッシュラインをトップで駆け抜けた。Z勢にとっては今季初優勝。昨年のセパン戦で「XANAVI NISMO Z」(#23)が優勝して以来14ヶ月ぶりの勝利となった。チームインパルの星野一義監督は、この完全勝利を讃える歓声に涙をこらえて応えていた。

今回出場のGT500マシンの中で最重量級となる80kgのハンディウェイトを搭載した#22 Zは、3人目のドライバーとしてカルボーンを登録していたが、レギュラーコンビのクルムとライアンが非常に似たドライビングスタイルでここまで調子を合わせてきており、あくまでもカルボーンはドライバーの疲労度が激しい時のサポートドライバーとして控えていた。スタートを担当したのはクルムで、重量のため瞬発力を発揮するのは難しいものの、他車のミスや脱落を見逃さずに確実な前進につとめた。その結果最初のドライバー交代を終えて、各車のピットインがほぼ完了した37周目には4位にまで順位を上げていた。その後ポイントランキングで競い合っている#1 SC430を捉えて3位に、また次のピットイン時にはほぼ同時にピットに入った#8 NSXに対してピットワークで逆転を遂げて2位となった。クルムとライアンがそれぞれ3回ずつの担当周回を受け持ち、一貫して速く安定したラップタイムを刻み、第2戦と第5戦の3位、そして第4戦に続く2度目の2位で今季4回目の表彰台フィニッシュを決めた。チャンピオンを競うドライバーズポイントのランキングでは、クルムが単独トップになった。

今回期待を集めていた「XANAVI NISMO Z」(#23 本山哲/松田次生/井出有治組)は、松田がレースをスタートし、7位から4位にまで順位を上げて今回スポット参戦の井出に交代した。井出も速いペースで周回したが、交代して4周目のシケイン手前でGT300マシンと接触。その後これがドライブスルーペナルティの対象となってコントロールタワーから「D 23」が提示されたが井出は気付かず、さらにチームのピットサイン見落としと無線の不具合も相まってて3周以上を走り、ペナルティコーション無視と判断されて失格を意味する黒旗を提示された。遅れて気付いた井出はピットインしてそのまま、ピットアウトするドライブスルーを行ったが既に遅く、再度黒旗が提示されて#23 Zのレースは終了した。

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このほか、予選5位、フリー走行でトップタイムと好調な滑り出しを見せていた「WOODONE ADVAN Z」(#24 エリック・コマス/柳田真孝/荒聖治組)は、コマスが序盤に激しいファイトを見せて5周目には2位までポジションアップしてレースを大いに盛り上げた。しかし、ピットイン時のロスなどが重なり、最終的には今季最高位の5位でレースを終えた。「イエローハットYMSトミカZ」(#3 横溝直輝/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/ダレン・マニング組)は8位スタートしたが序盤に出遅れ、8位のままでフィニッシュした。


ニスモ飯嶋嘉隆監督
「今回車体の剛性を見直し、補強して来たことなどが#12の優勝と、#22の活躍に現れたと思っています。灼熱の長丁場なので、タイヤに優しいシャシーを目指したのが正しい方向性だったと言えるでしょう。ニスモとしては少し残念な部分もありましたが、14ヶ月ぶりのZの優勝は日産勢を総括すると良いレースだったと思います。ただし、無線が機能していなかったとは言え、井出のコーション無視は深刻なドライバーのミスです。プロドライバーとして大いに反省すべき内容であり、期待を持ってニスモを応援していただいた皆様の夢を裏切ってしまいました。ドライバーはもちろんのこと、チームとしても深く反省しており、心からお詫びしたいと思います。 #22はドライバー/チームともにポイント1位となり、また#23もまだまだチャンピオンを狙える位置にいます。次のもてぎに向け、チーム全員で頑張りますので応援をよろしくお願いします」

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#12ブノワ・トレルイエ
「クルマは完璧だし、チームワークを含めレース展開もパーフェクトでした。チーム、日産/ニスモ、スポンサーやファンの皆さんのおかげです。ありがとうございました」

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#22ミハエル・クルム
「本当に素晴しいレースでした。クルマは重かったのに、完璧でした。また、6時間も日産の応援フラッグを降り続けてくれたファンの皆さんに心から感謝します。暑い中大変だったと思いますが、僕たちは毎周勇気づけられました。本当にありがとう」

RACE RESULT
Rd. 6 International Pokka 1000km
- Sunday,20 August, 2006 SUZUKA Circuit International Racing Course
[ 13:05 〜 173 Laps fine / dry ]
Pos Car name No 1st Driver Laps
1 カルソニック インパル Z 12 B.Treluyer / 星野 一樹 / J.Dufour 5:57'45"468 
2 MOTUL AUTECH Z 22 M.Krumm / R.Lyons / F.Carbone -1'29"148 
3 BANDAI DIREZZA SC430 35 服部 尚貴 / P.Dumbreck / 田嶋 栄一 -1Lap 
4 EPSON NSX 32 L.Duval / 武藤 英紀 -1Lap 
5 WOODONE ADVAN KONDO Z 24 E.Comas / 柳田 真孝 / 荒 聖治 -1Lap 
6 ARTA NSX 8 伊藤 大輔 / R.Firman / 金石 年弘 -1Lap 
7 ZENT セルモ SC 1 立川 祐路 / 高木 虎之介 / R.Quintarelli -2Laps 
8 イエローハットYMS トミカ Z 3 横溝 直輝 / J.P.De.Oliveira / D.Manning -2Laps 
9 RAYBRIG NSX 100 S.Philippe / 細川 慎弥 -5Laps 
10 OPEN INTERFACE TOM'S
SC430
36 脇阪 寿一 / A.Lotterer / A.Sutil -7Laps 
- XANAVI NISMO Z 23 本山 哲 / 松田 次生 / 井出 有治 失格 
TRACK INFORMATION
Length: 5,807m