7月23日(日)、宮城県仙台郊外のスポーツランドSUGO(1周3.704km)でSUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」決勝レースが開催され、予選4位の「XANAVI NISMO Z」(#23 本山哲/松田次生)がエキサイティングなトップ争いの末2位でレースを終えた。また、予選5位の「MOTUL AUTECH Z」(#22 ミハエル・クルム/リチャード・ライアン)も3位を獲得。ニスモの2台がそろって表彰台入賞を果たした。この日の天候は曇りで、午後1時59分のスタート時の気温は25度。観客数は、5万100人であった。
81周の決勝レースは、序盤にリードを築いた#1 SC430をレース中盤から#23 Zが逆転したものの、終盤の一瞬に再逆転されるというスリリングな展開となった。4位からスタートした#23 Zの松田次生は、まず先行する#100 Zを処理しなければならなかったがSUGOのコースは抜き場所が少なく、13周目にようやく3位にポジションアップするチャンスを得た。
その後、松田は約12秒前を行く2位の#32 NSXを追い、周回を追う毎に差を詰めて行った。そして34周目には同車を抜き去り、38周目にピットインして本山にドライバー交代した。首位の#1 SC430がピットワークでタイムロスしたこともあり、本山は同車の前でコースに戻ることができた。通常ピットアウトした周回はタイヤが暖まりきらないためタイムが伸びないもの。しかし、数周前にピットアウトしていて適切なタイヤグリップを得ていた#1 SC430が背後に迫り、あわや抜かれるかという場面が何度もあったものの本山は何とかしのぎ、52周目には首位へと浮上した。その後約20周にわたって#1 SC430と激しい攻防を繰り広げたが、72周目の最終コーナー上りで周回遅れの車両に詰まった隙に先行され、本山は追われる立場から追う立場へと変わった。残り周回はあとわずかだったが、その時点でタイヤもドライバーも消耗が激しく首位奪還が叶わないまま2位でチェッカーフラッグを受けた。5位スタートの#22 Zはミハエル・クルムがスタートし、序盤を5位で、その後一時ひとつ順位を落としたが、大きく離されることなく周回し、37周目にピットインしてリチャード・ライアンに交代した。迅速なピットワークによって良い位置でレースに戻った#22 Zは、他車のペナルティなどにも助けられ、52周目には3位に浮上。その後もライアンは安定して速いペースを維持したため後続に脅かされることもなく、3位でゴールを迎えた。
予選9位の「カルソニック インパルZ」(#12 ブノワ・トレルイエ/星野一樹)は、スタート後5周目にプッシュしすぎてスピンアウト。一時13位まで順位を落としたが、その後激しい追い上げを見せ、中盤には10周以上にわたって暫定首位を走行。ドライバー交代のためピットインして順位を落としたが、最終的には6位入賞でレースを終えた。また、予選13位の「WOODONE ADVAN KONDO Z」(#24柳田真孝/荒聖治)はトラブルもなくレース周回を重ね、10位でレースを終了した。ピットスタートとなり最後尾からレースを開始した「イエローハットYMS トミカ Z」(#3 横溝直輝/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、さすがに 30秒以上あったスタートのロスを挽回することができず、13位でレースを終了した。
ニスモ 飯嶋嘉隆監督
「クルマには速く走るための対策をさまざま盛り込んできました。#23は松田がよく頑張ってくれたし、後半の本山もプロらしく気迫のこもった、目が離せないバトルを見せてくれました。結果は抜かれてしまったので悔しいですが、クルマと作戦は間違っていなかったと思います。#22も重いのによく走ってくれました。今日の結果は、ドライバーの頑張りとチームの総合力、そしてファンの皆様のご声援の賜物です。次の鈴鹿は、酷暑の中での長丁場なので耐久性・信頼性に重点をおいたテストを行い、レースに臨むつもりです。鈴鹿も是非応援をよろしくお願いします」
#23 本山哲
「結果的には負けてしまいましたが、前半の松田が頑張ってくれたし、チームの働きでいい位置でレースに戻れました。僕もギリギリまでプッシュし続けたし、チームのパフォーマンスとしてはベストを出し尽くしたと思います。このパフォーマンスが維持できれば、シリーズ後半戦には必ず優勝を果たせると信じています」
#23 松田次生
「今回はスタートドライバーを任せてもらい、2台を抜いて良いポジションで本山さんにクルマを渡せたので自分の仕事としてはうまくいったと言えます。本山さんが抜かれてしまったのも、しかたない運だと思っています。クルマはどんどん良くなっており、今後が楽しみです」
なお、GT300クラスでも、「吉兆宝山 DIREZZA Z」(#46佐々木孝太/番場琢)が優勝し、「エンドレス アドバンCCI Z」(#13 影山正美/藤井誠暢)が2位となるなど、日産フェアレディZは両クラスで印象的な活躍を見せた。